財務 モデリング。 【予測財務三表】の作りかた │ 新しいビジネスモデルの発想とヒント

補講|M&Aバリュエーションでシナジーを考慮すべきか|財務モデリング本格入門|note

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ツイッターで話題にしていたやつです。 ごあいさつ いつもご拝読、ご質問ありがとうございます。 結構たくさんのメールをいただけるようになって、うれしいばかりです。 基本的に全レスしておりますので、モデリングの勉強中でつまずいた点、ご意見ご要望などは、どんどんお問い合わせください。 財務モデリング本格入門 シナジーとは、買収合併によって生まれる相乗効果のこと シナジーとは、買収合併において生じる経済的なメリットのことです。 例えば、研究開発に強みのあるA社と、マーケティングに強みのあるB社が合併したとします。 このとき、A社の研究開発チームが、B社の製品開発に協力し、B社のマーケティングチームが、A社製品のマーケティングに協力すると、両者の売上は加速的に伸びていくことでしょう。 このような、買収合併によって生じる相乗効果のことをシナジーと呼びます。 B社の価値とは、B社そのものの価値である いま、A社がB社を買収するケースを考えてみましょう。 A社:研究開発に強み B社:マーケティングに強み 買収される企業であるB社の価値を求めます。 B社は、買収後、A社の研究開発チームから支援を受ける予定です。 研究開発費は上がりますが、それ以上にコストを削減でき、高価格化ができる見込みです。 さて、B社の価値を求める際に使うべき予想収益は、どちらでしょうか? 1.A社の支援を受ける前に想定される収益 2.A社の支援を受けて、高価格化、低コスト化を進めた後の収益 正解は1です。 2は、A社によってもたらされた付加価値を含んでいます。 B社の価値とは、B社そのものの価値のことですから、A社によってもたらされる価値を含めてはいけません。 したがって、DCF法で使用する予想財務3表にも、A社による支援がなかった場合の予想値を使います。 あくまで、DCF法で求めるのは、B社そのものの価値だからです。 シナジーの算出|概要 もちろん、買収によってどれくらいのシナジーを得られるかどうかは、投資判断において重要です。 このため、シナジーの価値を求めたいというニーズはあります。 B社の価値に含めてはならないというだけで、シナジーの計算をすること自体は、おかしなことではありません。 シナジーの算出1|理論的に正しい価値算定 理論的に最も正しいのは、A社の価値、B社の価値、統合後の企業の価値をそれぞれ求めて、下記の式で算出する方法です。 統合によるシナジー=統合後の価値-A社の価値-B社の価値 この計算を行えば、定義通りのシナジーを求めることができます。 しかし、B社の業績予想だけでも大変なのに、3社の業績を予想し、それぞれ異なる割引率を計算して、シナジーを求めるというのは、非常に大変な作業です。 見たことがないわけではないですが、ここまでしてシナジーを正確に求めるべきかどうかについては、別の議論でしょう。 シナジーの算出2|利益を合計する 1の方法はそこそこ計算が大変なので、、単純な利益ベースで考えることもあります。 たとえば、「今後5年間で、合計100億円程度のコストカットができそう」と分析して、シナジーの価値を100億円とするパターンです。 DCF法の考え方とは整合しませんし、時間的な価値も無視した数値です。 しかし、シナジーというのは、単体での業績予想以上に予想が難しく、どれだけ細かく予想をしても、正確な数値は分かりません。 そのため、おおざっぱな数値として、こういった考え方で算出することもあります。 シナジーの算出3|B社の価値に含めてしまう 最初といっていることが変わってしまいますが、実は、B社の価値に含めて計算してしまう方法もあります。 たとえば、B社の業績計画を下記のように変更して、「シナジーを考慮した場合のシナリオ」を作成します。 その差分がシナジーの価値という計算です。 この計算方法では、A社側の売上増加などは考慮できないため、あくまでシナジーの一部を計算しているにすぎません。 しかし、計算がとてもシンプルなので、実務でもときおり使用されます。 シナジーは誰のものか さて、B社の価値というのは、B社の株主に帰属する価値です。 当然、買収においてはB社の株主に支払われるべきだといえます。 一方で、シナジーというのは、買収後に買い手が頑張った結果、発生するものです。 買収したら自動的に発生する、という性質のものではありません。 このため、シナジーというのは、どちらかというと買い手(A社の株主)に帰属する価値です。 もちろん、B社に優れたノウハウがあるから発現するものでもあるので、売り手(B社の株主)の分け前も、多少はあるでしょう。 このように、シナジーというのは、誰のものかがややあいまいで、シナジーの何割くらいが、売り手に帰属するのかは、ケースバイケースです。 A社はB社株主に、いくらまで支払うべきか? さて、いつもの価値と価格の話です。 A社がB社を買収するときは、A社から、B社株主にお金が支払われます。 理屈としては、B社の株主は、B社に帰属する価値を受け取ります。 1と2の合計です。 価値1 シナジーを考慮する前のB社のキャッシュフローの価値 価値2 シナジーのうち、B社に帰属する分 しかし、実際にどれくらい支払うかは状況次第です。 A社のほかにB社を買いたがっている企業がない場合は、 価値2を支払う必要はないでしょう。 価値1を支払えば、B社の株主には、十分な対価を払ったことになります(少なくとも、ぼったくりだと批判はされないでしょう)。 しかし、B社を買いたがっているC社が登場した場合は、話は別です。 価値3 C社がB社を買収した場合のシナジーのうち、B社に帰属する分 さて、C社の予算は、 価値1+ 価値3です。 価値2> 価値3のとき、 A社が、 価値1+ 価値3よりちょっとだけ高い金額を提示すれば、C社に勝てるでしょう。 価値2< 価値3のとき、 A社は、 価値1+ 価値2をすべて支払っても、C社には勝てない可能性が高いです。 この場合は、買収をあきらめたほうがよいでしょう。 まとめ さて、シナジーの議論には、いくつかの論点がありました。 ・シナジーは、買収される企業の価値に含めるべきか? ・シナジーをどうやって求めるべきか? ・シナジーを価格にどう反映すべきか? これらは、似ているようで異なる論点です。 シナジーについて検討を行うときは、これらを混同しないように気を付ける必要があります。

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財務モデリングに関する資格にはどんなものがあるのか 本ウェブサイト「上級財務モデリング講座」では、世界基準の財務モデリング技法や要諦の解説記事が掲載されているが、就職活動や転職活動の場面において 財務モデリングのスキルがある事を客観的に示せるような資格があるのか?と言う事について解説する。 しかし、2019年5月時点においての中に、明確に財務モデリングが試験範囲の一部を構成しているとの記載がなく、情報源となるサイトも個人のブログ等が中心で、時期も2010年前後である事から、本当に FASS 検定において財務モデリングが必須スキルとして問われているのか、今一つ定かではない。 どちらの団体もカナダ・トロントを本籍とする団体である。 上述の FASS とは異なり、両方とも明確に財務モデリングのスキルを問う資格試験である事がウェブサイトから読み取れる。 また、前者は物理的に試験会場に足を運んで行うタイプの試験で、後者はオンラインで受験をするタイプの試験だ。 ウェブサイトを見れば書いてあるが、世界的に有名な財務アドバイザリーやコンサルティング企業では前者の FMI の資格受験が奨励されているので、この記事では FMI の資格に関する話題をもう少し詳述する。 同様に、Level 2 に合格すれば "CFM" の肩書を得る事ができ、Level 3 の受験資格を得ることが出来る。 以下に先ず、第1ステップとなるAFM について、もう少し記載する。 世界25か国以上の都市で受験ができ、 東京でも受験が可能だ。 受験料は定価 61,000円だが、早く申し込むと割引があったり、学生割引もあったりする 両者とも最大で約4割引き。 からオンラインで申し込みを行う。 海外団体主催の試験なので、当然の事ながら 試験問題は全て英語だ。 制限時間 4時間の中で、財務モデルを構築する事が求められる。 AFM の試験では、財務や会計の前提知識を極力不要とし、 モデルの構築スキルを問うような出題が為される。 例えば、事業会社における5年間の中期事業計画モデルの作成のようなもので、過去の実績と計画に基づき、売上、営業費用、設備投資と減価償却、法人税等の見積を行った上で、必要となる資金繰り計画に基づき損益計算書・キャッシュフロー計算書・貸借対照表の三票の作成を行う。 そして収益の見積等についてベースケース・楽観ケース・悲観ケースの各々の前提条件を設定して事業シミュレーションを行う事のできるモデル作成等が求められる。 受験準備に必要な時間は100時間程度との事だ。 業務でモデリングを行っている方や、既にモデリングに自信のある方はもっと少ない時間で合格可能かもしれない。 また、受験に不合格だったとしても再受験料(2019年5月現在 約200ドル相当)を支払えば再チャレンジもできる様なので、先ずは直近の試験に挑戦してみるのも良いかもしれない。 試験日程や受験可能会場はAFMと同様だ。 CFMで問われる技能・出題範囲 AFMとは異なり、実務で必要となる会計、財務、ファイナンス、投資やビジネスに係る知識理解も問われる性質の問題となっている。 多通貨でのコスト計算や、加速償却での減価償却、多様なタイプの借り入れやコベナンツへの対応、転換社債など、AFMで作成する財務諸表よりも条件設定が細かく、Excelやモデルのみならず財務や会計の前提知識がないと対処できない問題が問われる。 更に、AFMではBase, Best, Worstの 3シナリオの分析が求められたが、CFMでは感応度分析が求められる。

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ツイッターで話題にしていたやつです。 ごあいさつ いつもご拝読、ご質問ありがとうございます。 結構たくさんのメールをいただけるようになって、うれしいばかりです。 基本的に全レスしておりますので、モデリングの勉強中でつまずいた点、ご意見ご要望などは、どんどんお問い合わせください。 財務モデリング本格入門 シナジーとは、買収合併によって生まれる相乗効果のこと シナジーとは、買収合併において生じる経済的なメリットのことです。 例えば、研究開発に強みのあるA社と、マーケティングに強みのあるB社が合併したとします。 このとき、A社の研究開発チームが、B社の製品開発に協力し、B社のマーケティングチームが、A社製品のマーケティングに協力すると、両者の売上は加速的に伸びていくことでしょう。 このような、買収合併によって生じる相乗効果のことをシナジーと呼びます。 B社の価値とは、B社そのものの価値である いま、A社がB社を買収するケースを考えてみましょう。 A社:研究開発に強み B社:マーケティングに強み 買収される企業であるB社の価値を求めます。 B社は、買収後、A社の研究開発チームから支援を受ける予定です。 研究開発費は上がりますが、それ以上にコストを削減でき、高価格化ができる見込みです。 さて、B社の価値を求める際に使うべき予想収益は、どちらでしょうか? 1.A社の支援を受ける前に想定される収益 2.A社の支援を受けて、高価格化、低コスト化を進めた後の収益 正解は1です。 2は、A社によってもたらされた付加価値を含んでいます。 B社の価値とは、B社そのものの価値のことですから、A社によってもたらされる価値を含めてはいけません。 したがって、DCF法で使用する予想財務3表にも、A社による支援がなかった場合の予想値を使います。 あくまで、DCF法で求めるのは、B社そのものの価値だからです。 シナジーの算出|概要 もちろん、買収によってどれくらいのシナジーを得られるかどうかは、投資判断において重要です。 このため、シナジーの価値を求めたいというニーズはあります。 B社の価値に含めてはならないというだけで、シナジーの計算をすること自体は、おかしなことではありません。 シナジーの算出1|理論的に正しい価値算定 理論的に最も正しいのは、A社の価値、B社の価値、統合後の企業の価値をそれぞれ求めて、下記の式で算出する方法です。 統合によるシナジー=統合後の価値-A社の価値-B社の価値 この計算を行えば、定義通りのシナジーを求めることができます。 しかし、B社の業績予想だけでも大変なのに、3社の業績を予想し、それぞれ異なる割引率を計算して、シナジーを求めるというのは、非常に大変な作業です。 見たことがないわけではないですが、ここまでしてシナジーを正確に求めるべきかどうかについては、別の議論でしょう。 シナジーの算出2|利益を合計する 1の方法はそこそこ計算が大変なので、、単純な利益ベースで考えることもあります。 たとえば、「今後5年間で、合計100億円程度のコストカットができそう」と分析して、シナジーの価値を100億円とするパターンです。 DCF法の考え方とは整合しませんし、時間的な価値も無視した数値です。 しかし、シナジーというのは、単体での業績予想以上に予想が難しく、どれだけ細かく予想をしても、正確な数値は分かりません。 そのため、おおざっぱな数値として、こういった考え方で算出することもあります。 シナジーの算出3|B社の価値に含めてしまう 最初といっていることが変わってしまいますが、実は、B社の価値に含めて計算してしまう方法もあります。 たとえば、B社の業績計画を下記のように変更して、「シナジーを考慮した場合のシナリオ」を作成します。 その差分がシナジーの価値という計算です。 この計算方法では、A社側の売上増加などは考慮できないため、あくまでシナジーの一部を計算しているにすぎません。 しかし、計算がとてもシンプルなので、実務でもときおり使用されます。 シナジーは誰のものか さて、B社の価値というのは、B社の株主に帰属する価値です。 当然、買収においてはB社の株主に支払われるべきだといえます。 一方で、シナジーというのは、買収後に買い手が頑張った結果、発生するものです。 買収したら自動的に発生する、という性質のものではありません。 このため、シナジーというのは、どちらかというと買い手(A社の株主)に帰属する価値です。 もちろん、B社に優れたノウハウがあるから発現するものでもあるので、売り手(B社の株主)の分け前も、多少はあるでしょう。 このように、シナジーというのは、誰のものかがややあいまいで、シナジーの何割くらいが、売り手に帰属するのかは、ケースバイケースです。 A社はB社株主に、いくらまで支払うべきか? さて、いつもの価値と価格の話です。 A社がB社を買収するときは、A社から、B社株主にお金が支払われます。 理屈としては、B社の株主は、B社に帰属する価値を受け取ります。 1と2の合計です。 価値1 シナジーを考慮する前のB社のキャッシュフローの価値 価値2 シナジーのうち、B社に帰属する分 しかし、実際にどれくらい支払うかは状況次第です。 A社のほかにB社を買いたがっている企業がない場合は、 価値2を支払う必要はないでしょう。 価値1を支払えば、B社の株主には、十分な対価を払ったことになります(少なくとも、ぼったくりだと批判はされないでしょう)。 しかし、B社を買いたがっているC社が登場した場合は、話は別です。 価値3 C社がB社を買収した場合のシナジーのうち、B社に帰属する分 さて、C社の予算は、 価値1+ 価値3です。 価値2> 価値3のとき、 A社が、 価値1+ 価値3よりちょっとだけ高い金額を提示すれば、C社に勝てるでしょう。 価値2< 価値3のとき、 A社は、 価値1+ 価値2をすべて支払っても、C社には勝てない可能性が高いです。 この場合は、買収をあきらめたほうがよいでしょう。 まとめ さて、シナジーの議論には、いくつかの論点がありました。 ・シナジーは、買収される企業の価値に含めるべきか? ・シナジーをどうやって求めるべきか? ・シナジーを価格にどう反映すべきか? これらは、似ているようで異なる論点です。 シナジーについて検討を行うときは、これらを混同しないように気を付ける必要があります。

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