悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。。 悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。

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悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。

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悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。

Posted by ブクログ 2020年01月07日 なにかは正しいんだけど、なにかが確実に間違っている、そんな彼女の男装生活。 タイトルでそのすべてを物語っている系の作品ではあります。 「悪役令嬢」をジャンルとしてご存じの方なら「死にたくない」という動機はおなじみでしょう。 しかし、結びの言葉が「男装」というのはおそらく万人が謎に思われるかもしれま せん。 目的自体は命を狙ってくる正体不明の暗殺者の目を欺く「自衛」のためというもので至極まっとうなんですが……。 それでも終始ツッコミを入れたくなることを読者に保証したくなる、そんなラブコメなのですよ。 主人公の視点がどっかズレてて行動力が空回りする様が愛おしく、あちらこちらで振り回したかと思えば、振り回されたりもしたりで最後まで引っ張ってくれます。 ここからの注釈が必要かどうかはさておいて。 「悪役令嬢」とは女性向け恋愛ゲームなどによく登場する主人公の「ライバル」の一種です。 恋愛ゲームにおける実際の登場頻度はさておいて、WEB系のライトノベルレーベルでは引っ張りだこの概念だったりします。 少女漫画によく登場する、「ライバル」というほどには格の高くない、主人公の足を引っ張る敵役の一種と言い換えてもよいかもしれません。 この辺は色々あるので、一概に語るのは難しいですが「悪役令嬢」は「文字通り」敵対的な上層階級の脅威と言ってもよいかと。 そんなわけで彼女たちは基礎スペック自体は容姿と家柄を中心に高いものの、性格の悪さから取り巻きを囲っても孤立しがちです。 やがて目立たない立場から頭角を現した主人公にいびりやいじめを繰り返して攻略対象となるイケメンたちからの好感度を叩き落し、自滅パターンを辿ることに。 最終的には国政に私利私欲からタッチしようとしたり、もしくは主人公への危害が度を越した結果として権力を持つヒーローから「断罪」されて、表舞台ないし現世からサヨナラするというのが大方の筋書きになります。 一方で「お約束(テンプレ)」や様式美の一例として確立したなら、それを崩したくなるのも人情というもの。 ところで個人的に思う範疇ですので具体例は挙げませんが、私にとって印象深い「悪役令嬢」に類するキャラクターを挙げるとすれば女児向けアニメの敵役だったりします。 そちらだと高みから見下すよりもむしろ、降ってわいた幸運に助けられて努力していないのに(偏見)幸運を掴む主人公へのやっかみやねたみの気持ちを(視聴者からの)代弁込みで足を引っ張ってくれる感もありますから。 方法は全く褒められなくても、意志は尊重しなければいけないところもあるのでここが難しいのですけどね。 「性格の悪さ」は自分の力で幸せをつかもうとする「我」の確立した一人の女性に通じる部分もあります。 「ガラスの靴」を履くシンデレラの物語と「ガラスの天井」を破ろうとする女性のサクセスストーリーは、似ているけどなかなか歩み寄れない二律背反なのです。 とはいえ戦わない、守られるだけのヒロインは足手まといと揶揄されて久しいわけですし。 また、日本人の判官びいきの表れというべきか。 「悪役令嬢」は定められた「滅びの運命」に抗うもう一人の主人公であり、男にちやほやされるだけ(偏見)な本来の主人公に対する対抗軸(カウンター)として最近一定の地位を確保している感があります。 講釈はさておいて、本作の解説に話を戻しますと。 前世の記憶が突如として蘇り、自分が前世で遊んだ乙女ゲームまんまの人物配置と設定がされた異世界に転生したことを自覚した主人公「セシリア・シルビィ」は、前述の理由も兼ねて、男爵家の子息「セシル・アドミナ」と名と姿を変えることを決意します。 しかもなぜか、王侯貴族の通う学院で、妙に理解のある義弟「ギルバート」協力のもと、歯が浮くような甘いセリフを吐く貴公子として名を馳せ、淑女たちに黄色い声を上げさせながら。 もちろん実家にはひた隠しにして。 ちなみに本作のご都合要素としては現地生まれでありながら、ゲーム用語も理解してくれて、公爵家の子息としての身分を保ったままサポートしてくれる義弟周りにだいたい集中している気がします。 一方で、(二重の意味で)主人公のキャラクターをもってマジメに突っ込んだら負けだなという雰囲気を作れている気がするので、人にもよりますが大丈夫でしょう。 そもそもがファンタジック要素も入った貴族社会なのに「林間学校」も「電話」も「カレー」もあるくらいの軽いノリで文明度な世界観なので大真面目から半歩ズレたくらいの受け取り方が一番楽しめるかもしれません。 この世界がなんなのかという疑問に関しましては、おそらくは主題ではないのでしょう。 「異世界転生」より「乙女ゲーム」部分に比重を置きつつも、あくまで「現実」だというのに変わりはないのですけどね。 主人公は好感度やフラグなどのゲーム的な考えに固執して盛大に空回りしちゃいます。 未来を知っているといっても、核心部分を知らないというのは作劇上の都合としても。 幼少の自分が起こしたバタフライ・エフェクトなどがもたらす(主人公目線の本来の歴史からの)好感度のズレが「鈍感系」を演出したりします。 ここで効いているのが「男装」要素で、主人公は勝手に勘違いする一方で、同性の友人としてできる範囲で行動し、ピンチにもなるので妙に距離の近い触れ合いが頻出します。 「同衾」などの同性としてみても際どいシチュエーション(異性だったら終盤のイベント)がなぜか発生します。 本来の姿の自分は嫌われていると勘違いしてるのに、男装していると妙にアグレッシブになるのは不思議ですね。 結果、第三者視点から見ると絵面が完全に男性同士の同性愛 BL にしか見えない空間が誕生するという。 ここでキーになるのが本来の乙女ゲームの方の主人公「リーン・ラザロワ」です。 なぜか、この世界に存在しないBL小説を発想して布教し、同好の士とともに楽しむことに固執する彼女の巻き起こす嵐に主人公を巻き込まれる羽目になるのがなんとも面白いのですよ。 男姿だからか、逆に無防備で天然で男をたらしこむ主人公「セシリア」とは逆に、あまり恋愛という軸にはタッチせずに自分の趣味に没頭して、異性の友人まで本づくりに巻き込んでいく「リーン」がまたなんか困った意味で「自立した女性」としての主人公を実現するのが実に面白い。 このふたりの「主人公」、特にリーンの謎は早々に示唆されて、読者にシナリオの導線を提供してくれるのがなんとも読みやすいと思います。 それに加えてクライマックスに向けて段々情報を提示してからの種明かしは、王道ですが話をいったん畳むに申し分なしと思いましたね。 ちなみに主人公「セシリア」は行動力はあるけど、方向性がズレてる。 けど、全き善意の人であり、信頼はできる人物であると読者には伝わってくるのは大きいですね。 地頭はいいだろうし、活劇をこなせる身体スペックもある。 ただし、最大の障害である暗殺者「キラー」の正体は謎なので緊迫感はなんだかんだで持続しています。 それと「乙女ゲーム」と言えば、別に攻略対象のイケメンによってたかって主人公がちやほやされるという側面だけでありません。 過去に由来するトラウマなどを抱えた攻略対象の心を開いて、共に寄り添って二人で問題を解決していこうという、言うなれば「カウンセリング・バトル」の側面もあったりします。 心に闇を抱えた攻略対象は危ないんですよ。 本来あるべきだろう未来から、主人公の性格なんかゆるい方向に変わったことで変化した「ギルバート」然り。 身内相手だからこそ無防備すぎるセシリアと最も近い位置にいながら噛み合わない双方の思いは必見です。 なんにせよ戦闘力がないヒロインだって戦ってるんです。 ゲームによっては時に死亡エンドがあったりしますし、安穏としてはいられないんです。 本作の主題がとにかく死にまくるゲームで輪にかけて死ぬ「悪役令嬢」が死の運命から逃れるためとあっては、特に。 そうして考えると、全般的に古良い感じのノリで進行しつつも、主人公の役割を割り振って二人に分けたのは面白い試みだと思いましたね。 活劇を演出する男装のヒロインがその実後手後手な対応に回らざるを得ず、一方で守られる側にしか見えないヒロインが、わが道を行き、最後にふたりが同じ秘密を共有したその事実に燃えました。 初見のズッコケ要素はそのままに主人公ふたりにコメディ要素を集約し、意外と世界観で外してはいけない屋台骨はしっかり押さえているなど、演出面でも上手いかもしれません。 たとえば、この巻の舞台は主として学園であり「学生」という建前上対等な身分に全員が立ってるという前提こそあります。 とはいえ貴族の「家格」などのまじめな要素もしっかり拾っているので茶番感はあまりありません。 王に連なる家格の「公爵」と、貴族の端である「男爵」と言っても距離感は気やすいんですが、ちゃんと公的な場では弁えてくれるだろうという納得もありますから。 その辺でちょっと触れておくと、攻略対象の一人であり、将来は国政を回す王太子「オスカー」が妙に理解のある人で、BLの演出に協力してくれたりする辺り、妙な器の大きさに感服した気もします。 コメディ要素であっても、BLが男子にも理解されつつあることにちょっとした時代の流れを感じたりもしました。 余談はさりとて、まとめますと。 総じて「男装」としなければいけない裏事情を当事者視点で切迫して語りつつ、なんかとぼけた読み心地を提供していただけた小説かと思います。 タイトルの印象を裏切らないという意味では随一の文体かもしれませんね。

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悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。【電子特典付き】

悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。

気が付けば、選定の儀が始まってから五ヶ月が経とうとしていた。 八月ももう終わりに近づき、太陽の光もだんだんと穏やかなものに変わりつつある。 (体感的には短かったよなぁ……) チュートリアル戦闘を忘れ、大ポカをやらかした選定の儀から始まり、林間学校、姉弟喧嘩、拉致られ、無事に帰ってきたと思ったら大混乱の夏休み。 キラーが現れ、さらなる転生者が現れ、大捕り物をして、今。 これまでの日々を振り返りながら、セシリアは息を吐いた。 過ぎた時間もそれなりだし、内容もこれまでにないぐらい濃かった五ヶ月だが。 振り返ってみれば、怒涛過ぎてあっと言う間だった。 」 隣を歩くギルバートに、セシリアは涙目で待ったをかけた。 グレースからも神子になることを断られた翌朝。 いまだに現実を受け入れられないセシリアは過去を振り返ることで現実逃避をしていたのだ。 時間はまだ早く、周りに人はいない。 現実から目を逸らそうとする義姉を義弟はバッサリと切り捨てる。 「そんなことしても現実は変わらないんだから、もう切り替えたら?」 「そんなに簡単に切り替えられたら、苦労はしてないんだよー!」 セシリアは思わず両手で顔を覆う。 考えてもみてほしい。 『三番目の神子候補にすべてを丸投げする』という作戦は、もうどうにもできなくなったセシリアの最後の手段だったのだ。 騎士として認知されている今、ギルバートに宝具を返すわけにもいかない。 リーンのやる気が皆無の中、このままでは本当に自分が神子に選ばれてしまう。 そうなれば、待つのはBADENDという名のDEADENDだけである。 「神子なんて興味ないから! ただ私は、のほほんと人生を過ごしたいだけだから!! 」 ひよのとして過ごせなかった分も、セシリアで。 彼女にとっての望みはそれだけなのだ。 なのに現実がことごとくそれを邪魔してくる。 ギルバートは少し間を置いた後、セシリアを覗き込んでくる。 「神子になって、俺をそばに置くとかは考えないの?」 「いや、さすがにギルの人生は巻き込めないでしょ」 「巻き込んでくれればいいのに」 「そ、それは、どうにもならずに神子に選ばれちゃったときの、最後の手段で……」 最後の手段としてもセシリアとしては取りたくない手だ。 こんな粗末な義姉のために、かわいい義弟の人生を台無しにすることはできない。 「ほかの可能性を全部潰せばそうしてくれるってこと?」 「その返しだと、まるで私の聖騎士に選ばれたいみたいだよ?」 「そうだって言ったら?」 「もー。 そんなんだから、オスカーに『シスコン』とか言われちゃうんだよ?」 あくまで冗談にしかとらないセシリアに、ギルバートは笑みを向ける。 「シスターかどうかは怪しいけどね」 「どういう意味?」 「意識の問題ってこと」 セシリアは首をひねった。 たまにギルバートはこうやってセシリアにはわからない言い回しをすることがある。 やっぱり頭のいい人間の思考回路は、ちょっとわからない。 「でも、そうか。 神子になったら俺を選んでくれるってことか」 薄く笑みを作ったまま、ギルバートはセシリアに聞こえない声でそう呟く。 今まで義姉の言うことに従っていた彼が、初めて反旗を翻した瞬間である。 急に芽吹いたトロイの木馬に気が付かないままセシリアは口をすぼめた。 「そもそも! 私が神子に決定した時点で死亡フラグがすごいんだから、そんな危ない橋渡れないよ」 「じゃぁ、どうするの?」 「いやもう、こうなったら元凶断つしかないかなぁって」 「元凶?」 「『障り』」 その言葉にギルバートは眉を寄せた。 前のめりに倒れそうになった彼女をギルバートが支える。 「見て、見て!! 」 突っ込んできたのはジェイドだった。 どうやら話し込んでいたせいで歩みが遅くなっていたらしい。 背後を見ればぱらぱらと登校を始める人影が見えた。 いつになくテンションの高い彼は、手に何か本のようなものを持っていた。 「できた! とうとうできたよ!! リーン一冊目の本!」 どうやら無事リーンのBL本が商業化したらしい。 本気でどうでもいいのだが、モデルが自分なだけに内容が気にならないと言ったら嘘になる。 「ホント、いつも取材に協力してくれてありがとう! これ、献本ね」 「取材に協力してるつもりはないんだけど。 ……ありがとう」 本はありがたく受け取っておく。 自分がモデルだという点を除けば、彼女の物語は面白いのだ。 本当に、自分がモデルだという点を除けば…… 「異国の服の挿絵にも協力してくれたんでしょ?」 「え? あれ使ったの?」 「『一瞬だけだったけど、目に思いっきり焼き付けた』って、リーンが」 「……」 頭が痛い。 全国にさらされたチャイナ服姿の自分。 つらい。 目頭を揉めば、指に水滴が付いた。 つらい。 「セシル、ギル、おはー。 あ、ジェイドも。 おはー」 「三人とも早いな」 続けて声をかけてきたのは、オスカーとダンテだ。 ダンテのフレンドリーな態度に、ギルバートは眉を寄せている。 しかし、表情ほど嫌でもないらしく、ダンテが首元に腕を回しても、ため息一つで許していた。 オスカーは目が合うと少し頬を赤らめた後、咳払いをした。 (この件も本当にどうしよう……) ちゃんと決着をつけなければ……とは思うのだが、この関係が心地いいと思っている分、自分からは何も言えないのだ。 「だから! 人前だからそういうのやめろって!! 」 「ヒューイ様ってば、恥ずかしがりやさんですのね!」 「そういうんじゃなくって!! 」 「じゃぁ、続きは二人っきりの時に」 「だーかーらー!! 」 聞いたことのある声に後ろを向けば、今度はいちゃつくヒューイとリーンのカップルがいた。 二人の手はつながれており、それをヒューイが乱暴に振り払っていた。 それでもうれしそうなリーン。 (相変わらず、すごい擬態っぷりだな) 自分たちと接するときと、ヒューイと接するときとでは、彼女の態度はまるで違う。 でもまぁ、口調を変えただけで、性格は割と自由奔放な彼女のままなのだが。 リーンはセシリアと目が合うと、小さく手を振ってくる。 それに応えるように手を振りかえすと、隣のヒューイに睨まれた。 ツンデレのくせにいっちょ前に嫉妬はするらしい 「なんか平和だなぁ……」 セシリアは青空を見ながらそう呟く。 さて、今度はどんな困難が待っているのか。 それはまだ誰にも分らないのである。

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