クロミフェン ドーピング。 競輪選手のドーピングが発覚 アンチドーピング機構が資格停止4年の処分発表

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クロミフェン ドーピング

効能・効果 [ ] 日本で承認されている効能・効果は「排卵障害に基づく不妊症の排卵誘発」である。 クロミフェンは無排卵または排卵過少による不妊の治療に有用である。 このような患者に対する臨床試験の結果、無治療の場合の妊娠率は1. 3〜4. 原因不明の不妊に対する有効性は不明である。 他の ()の成功率を高めるために補助的に用いられる事もある。 ()の初日をday1とする時、day3〜5から5日間服用する。 クロミフェン導入後は、特に排卵予想日(day9〜18)にを頻繁に行うべきである。 LH テストが実施可能であるなら、クロミフェン服用5日目から3〜4日後(day4〜8にクロミフェンを服用した場合はday11辺りから)にテストを開始し、排卵が確認される(テストが陽性になる)までまたはday18まで継続する。 自発的なホルモン分泌がない場合、直径20mm以上のがある時には人工的な卵子放出法、すなわち10,00単位の筋注等を試す事ができる。 しかし、日常的なhCG使用による卵母細胞の放出は、頻回にLHテストをして確認する場合と比べて妊娠の機会を減少させている様に思われる。 誘導された排卵サイクルのモニタリングのためには次の事をする:• クロミフェンの服用終了後4〜6日から ()で卵胞をモニタリングする。 継続的にモニタリングする事で卵胞の大きさや数が判る。 また排卵前卵胞の突発性崩壊やの体液増加の推定根拠の一つとなり得る。 排卵後は、予備の卵胞数や内部エコーの出現等のの兆候を明らかにすることができる。 クロミフェンの服用終了後4〜6日から血清濃度を測定する。 排卵の1〜3日前から性交後のテストを実施し、 ()中に少なくとも5つの活動性精子が居ることを確認する。 クロミフェン最終服用日から3〜4日後、適切にが分泌されていることを尿中LH測定で確認する。 治療を継続する場合には、30日周期で5日間連続服用を繰り返す。 用量は、排卵が起こるまで50mgから段階的に増量する(最大100mg)。 製造業者は6サイクルを超えて服用しない様に推奨している。 各治療サイクル前に残りの卵胞を大きくするために超音波を照射することは、推奨されていない。 副作用 [ ] 重大な副作用としては、が知られている。 クロミフェンを1年以上続けて服用するとのリスクが増加する。 これは妊娠経験がなく治療効果が上がらない場合に限られる。 その後の研究ではこれらの関係は見出されていない。 これには結論が出ていないが、有意なリスク増加はないと思われている。 クロミフェンで受胎した場合の胎児や新生児の異常のは、一般の場合と変わらない。 先天性異常や自然流産の確率上昇を示すデータはない。 作用機序 [ ] クロミフェンはのを阻害し、の分泌についてを遮断して ()を増強する。 ズクロミフェン(クロミフェンの Z 体)は E 体よりも活性が強く、長時間エストロゲン受容体に結合する。 クロミフェンはステロイドではない。 正常な生理学的女性ホルモンのサイクルでは、排卵の7日後、多量のとが黄体から放出され、視床下部および下垂体前葉で、、を 生産の高いレベルでのGnRH、FSHおよびLHを抑制する。 排卵後に受精が起こらないと、の欠如によって黄体は崩壊する。 hCGは通常胚で産生され、妊娠中のプロゲステロンおよびエストロゲンの濃度を維持する。 治療的には、クロミフェンは生理周期の早い時点で投与される。 一般的にはday3から5日間である。 この時までにはFSH濃度は高い状態を保たれ、いくつかの卵胞を形成する。 形成された卵胞はエストロゲンを生成し、エストロゲンが血中を巡る。 クロミフェンが存在すると、身体は前周期のday22と同程度にエストロゲンが低濃度であると認識し、エストロゲンは視床下部での負のフィードバックができず、GnRH分泌の脈動はより早くなり、下垂体からの(FSH、LH)分泌が増加する。 (GnRHの脈動が早く 弱くなるとLHとFSHの分泌が増加する。 )FSH濃度の上昇は卵胞を成長させ、卵胞を破り、を引き起こす。 排卵は通常、クロミフェン投与の6〜7日後に発生する。 化学的特徴 [ ] クロミフェンは2つの、エンクロミフェン( E-クロミフェン)とズクロミフェン( Z-クロミフェン)の混合物である。 これら2つの異性体は、クロミフェンのエストロゲン様作用と抗エストロゲン作用に寄与していることが見出されている。 Z-クロミフェン 男性の低ゴナドトロピン血症への適応外投与 [ ] クロミフェンは多くの場合、二次性の治療に有効である。 コストおよび服薬(経口投与。 テストステロンは注射またはゲル剤)の利便性から、テストステロン補充療法(TRT)よりも有用であると思われる。 従来のTRTとは異なり精巣萎縮が起こらず、妊孕性が維持される。 またTRTでは低用量を併用しても化学的去勢が発生し得るが、クロミフェンでは予防可能で可逆的である。 クロミフェンの男性への投与はED治療や不妊治療等において行われている。 クロミフェンの異性体の一つ、エンクロミフェンが男性への投与について第III相試験の段階にある。 ドーピング [ ] クロミフェンは使用の最終段階等で、エストロゲン高値による等の影響を除くために用いられる。 クロミフェンはホルモン調整薬で、一般的には排卵誘発剤として使用されるが、スポーツ分野では筋肉増強剤の副作用を抑える目的で使用されるケースが多いとされる。 クロミフェンはエストロゲン受容体に結合し、ホルモンの結合を阻害する事で効果を発揮する。 ステロイドでバランスを崩した身体の産生を正常化させる効果もある。 スポーツにおける違法薬物としてのリストにS4(ホルモン調整薬)として掲載されている。 開発の経緯 [ ] クロミフェンは1960年台から使用されている。 最初は ()の治療に用いられたが、治療中の女性の妊娠率が高かったので ()の治療にも適応拡大された。 1989年4月、女性の妊孕性予測へのクロミフェンの使用が特許取得された。 妊娠を維持できる女性はクロミフェン服用中は骨量が多く、骨量は妊孕性指標となり、その変化はCTスキャンで測定できる。 出典 [ ]• 2016年7月1日閲覧。 Fertil. Steril. 100 2 : 341—8. August 2013. The Cochrane database of systematic reviews 1 : CD000057. Seli, Emre. UpToDate. 2014年4月21日閲覧。 By Robert B. McWilliams. The Center for Reproduction and Women's Health Care, Houston, Texas. Retrieved May 2014• Trabert, B. ; Lamb, E. ; Scoccia, B. ; Moghissi, K. ; Westhoff, C. ; Niwa, S. ; Brinton, L. 2013. Fertility and Sterility 100 6 : 1660—6. Lexi-Comp Online, Hudson, Ohio: Lexi-Comp, Inc. ; Accessed on April 19, 2014• Trabert, B; Lamb, EJ; Scoccia, B; Moghissi, KS; Westhoff, CL; Niwa, S; Brinton, LA Dec 2013. Fertility and Sterility 100 6 : 1660—6. Gadducci, A; Guerrieri, ME; Genazzani, AR Jan 2013. Gynecological endocrinology : the official journal of the International Society of Gynecological Endocrinology 29 1 : 30—5. Clomid [package insert]. Bridgewater, NJ, Sanofi-aventis. 2013• Updated on April 19, 2011• Ioannidoukadis, Stella; Wright, Pat J. ; Neely, R. Dermot; Quinton, Richard 2006. Fertility and Sterility 86 5 : 1513. e5—9. Taylor, Frederick; Levine, Laurence 2010. Journal of Sexual Medicine 7 1 Pt 1 : 269—76. Kaminetsky, Jed; Hemani, Micah L 2009. Expert Opinion on Investigational Drugs 18 12 : 1947—55. www. lab. toho-u. 2019年9月7日閲覧。 Hill, S. ; Arutchelva, V. ; Quinton, R. 2009. IDrugs 12 2 : 109—19. www. him-news. com. 2019年9月7日閲覧。 Tan, RS; Vasudevan, D. Jan 2003. Fertil Steril 79 1 : 203—5. Holtkamp DE, Greslin JG, Root CA, Lerner LJ October 1960. Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 105: 197—201. Hughes E, Collins J, Vandekerckhove P 2000. Cochrane Database Syst Rev 2 : CD000056. Andrews, Edmund L. 1989年4月29日. US PAtent US4820736 A. 2014年4月4日閲覧。

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Topic 12 抜き打ち検査について ドーピング検査は競技終了後に行われる競技会検査と、競技会の事前に抜き打ちで行われるいわゆる抜き打ち検査(競技会外検査)の2種類に分かれる。 最近件数がとみに増しているのが抜き打ち検査である。 6,250検体(オリンピック5,000検体、パラリンピック1,250検体)。 前回の北京大会では4,770検体であったのに比較して大量に増えた(複数の資料から)。 国際オリンピック委員会(IOC)によると、ロンドンオリンピックでの違反は6件で、うち5件は競技前の抜き打ち検査で明らかになったと言われている。 ロンドンオリンピック開催前に多数の抜き打ち検査が行われ、多数の違反者が摘発された。 薬物使用者が本番の競技会に参加できなかったのが、ロンドンオリンピックでドーピング違反者が少なかった理由のひとつにあげられている。 日本でも当然数多くの抜き打ち検査が行われている。 ちなみに2012年度では国内で5,500件ほどの検査が行われたが、抜き打ち検査は1,900件ほどであった。 2013年度にはボディビルでクレンブテロールが抜き打ち検査で検出された人がいた。 抜き打ち検査はこのように大変効果的な検査であるが、問題は検査を受ける選手の居場所である。 これについては居場所情報としてWADA、JADAがADAMSと呼んでいるシステムで一括IT管理されている。 エリートアスリートである対象選手は4半期ごとに居場所情報を提出する義務がある。 選手にとってはプライベートが失われる結果であり、これも同意したうえで初めて各種競技会に出場できる権利が得られたと解釈しなければならない。 居場所情報を提出せず(居場所情報未提出)、JADAから書面による正式な警告を受けた回数、または検査を受けなかった(検査未了)回数が、連続する18ヶ月以内の期間に単独で、あるいは合わせて3度に及んだ場合にはドーピング防止規則違反となる。 選手にとっては大変めんどくさいシステムであり、このシステムに打ち込むのにITに習熟したトレーナーなどの代行者も場合によっては必要である.JOC傘下の団体のみならず、ボディビルにも抜き打ち検査の実施が広がってきており、ドーピングに対して普段から襟を正して生活をしないとひどい目に遭うだろう。 Topic 11 TUEについて TUEを初めて聞く人が多いと思う。 これはいったい何か。 TUEとはTherapeutic Use Exemptionの略である。 日本語に訳すと「治療目的使用に関わる除外措置申請」のことである。 選手が持病を持っている場合、その治療にたとえ禁止薬物を使用してもドーピング検査で違反に問われないケースがあるということである。 これについてはいろいろと条件がある。 世界アンチ・ドーピング機構WADAのホームページ()および日本アンチ・ドーピング機構JADAのホームページ()によると、治療上使用しないと健康に重大な障害を及ぼすことが予想される、他に代えられる合理的な治療法がない、治療上使用した結果健康を取り戻す以上に競技力を向上させる効果を生まない、ドーピングの結果生じた副作用の治療ではない、が必須条件である。 ドーピングを故意に行っている者は、たとえ副作用の治療で正当性を主張しても、TUEの申請条件からは外れるわけである。 むずかしいのはただ知らないでサプリメントを使用した、その成分内に禁止物質が入っていた、というケースである。 知らないでそのまま競技会に出場し、ドーピング検査で陽性になった場合は当然失格となり、試合結果は無効となる。 このことからサプリメントによる副作用の治療でも、TUEの申請はむずかしいと思われる。 ここは覚えていてほしい。 よくあるケースとして、気管支喘息、アトピー性皮膚炎その他皮膚病、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)高尿酸血症、上室頻拍などの不整脈、うつ病、パニック障害、自律神経失調症、不安障害などがあげられると思う。 これらの疾患に罹患しているときは積極的にTUE申請を行う必要がある。 TUEの事前申請は基本的には選手が所属する国際競技連盟かJADAのTUE委員会に提出する。 しかし、ボディビルやパワーリフティングなどJOCに属さない競技団体、日本プロ野球機構(NPB)、日本サッカー協会(JFA)などはそれぞれ異なるが所属団体の当該委員会に提出することになる。 その点、プロ団体として日本相撲協会はドーピングに関してはだらしなく、文部科学省の強力な指導が必要である。 なお、以前中日の中心選手がTUE申請の継続を忘れ、ドーピングコントロール違反に問われる失態もあった。 また何らかの急病で禁止物質である治療薬を使用した場合も速やかに事後としてTUE申請を行う必要がある。 これはJADAのホームページからは「遡及的TUE申請」と呼ばれ、「緊急性を証明する医療記録」の添付も義務づけられている。 申請書類を主治医、あるいはチームドクターなどに書いてもらう必要があるが、その書類の所在地はである。 書類の申請には医療機関に文書作成料を支払わなければならない。 またJOCに所属しない競技団体には書式が異なることもあり得るので個別に問い合わせをする必要がある。 なおNPBの場合は、である。 持病を持っている選手は日頃から主治医、チームドクターといい意味で懇ろ(ねんごろ)になっていることをおすすめする。 そうすると書類作成などがスムーズに進むと考えられる。 また、トップアスリートであればトレーナーもいる場合も多いと思うが、TUE申請の実務作業を行うにあたってトレーナーの能力が問われる分野である。 選手も十分にトレーナーの能力を推し量っていただくことを希望する。 上述した中日球団は当時その点大変お粗末であったことが想像される。 以上、TUEについて述べた。 持病を持って選手活動している選手やそれを支えるトレーナーの人たちには必読である。 (上記URLは執筆時のものであり、今後変更となる可能性がある) Topic 10 赤血球増多の問題 血液には液体部分の血漿と固体部分の血球成分に分けられる。 運動・スポーツをすると特に夏などの暑熱環境下では血漿が汗などで体外へ失われていき、その結果脱水となり,さらに血液が濃縮した状態になる。 喫煙やメタボリックシンドローム、脂質異常症(高脂血症)、肥満症などではメカニズムはわからないが、血漿量は少なくなる。 こういう人たちは日頃から積極的水分補給が重要である。 柔道など格闘技、野球の野手、パワーリフターなどの人はこのような状態を呈する人が多い。 血球、容積において大部分を占める赤血球が増えるといわゆる赤血球増多の状態になる。 赤血球増多症は多血症と呼ばれる。 上記に述べた血漿の喪失も相対的多血症である。 一方、造血ホルモンのドーピングや血液ドーピングなどによる造血によりもたらされる者は二次性多血症と呼ぶ。 赤血球数を増やし、血色素であるヘモグロビンを増やし、ヘモグロビンは酸素と結合して,末梢により多くの酸素を運搬することになる。 その結果、有酸素能の指標である最大酸素摂取量が増大するということになる。 マラソン、サイクリング、クロスカントリーなどの持久性の競技ではしばしば造血ホルモンであるエリスロポエチンの使用が摘発されるケースが少なくない。 サッカーなどでも有効である。 ツールドフランスであのアームストロング選手が長年エリスロポエチンを使用してきたと告白したのは有名な話しである。 日本人選手も無縁ではなく、2012年12月に日本人女子で最高位の選手が摘発された。 エリスロポエチンは腎臓の尿細管間質細胞から分泌されるペプチドホルモンである。 一部は肝臓から分泌される。 血液幹細胞に作用し、赤血球系への分化を促す。 慢性腎疾患、たとえば糖尿病により腎症が起こり、最終的には慢性腎不全に陥る。 慢性腎不全の最終局面では腎の機能が廃絶するので、老廃物を体外に排泄するために人工透析が行われる。 そのようなときには腎臓からエリスロポエチンが分泌しなくなり、貧血状態に陥る。 これは腎性貧血と呼ばれる。 これを解決するには体外からエリスロポエチン補充療法を行わなければならない。 長年血液増多状態が続くと、当然血液粘性は増してくるので血栓形成のひとつの要素にはなりやすくなる。 すなわち、脳梗塞や心筋梗塞、さらに肺梗塞などはひじょうに起こしやすくなるものと思われる。 エリスロポエチンを使用しているアスリートがしばしば競技中に突然死を起こす例も散見されるが、これらのことが起こっていると想像される。 また血圧が上昇することも考えられる。 なお、同様なことが本来自己輸血である血液ドーピングでも起こりうる。 また男性ホルモン・蛋白同化ステロイドのドーピングも赤血球増多を軽度もたらす。 この薬剤は造血幹細胞を刺激するためと言われている、骨髄線維症や再生不良性貧血で骨髄移植ができない場合などに使用する。 したがって、筋肉増強のためにこの薬剤を使用する人多いが、副作用として当然、赤血球増多になりやすい。 しかし、エリスロポエチン使用よりも動脈硬化の方向に働く作用は強いので,長年の使用で脳梗塞、心筋梗塞の予備軍となっていくことは必定である。 エリスロポエチンもそうであるが、使用している限りは赤血球増多に関して使用を中止する以外は水分を大量に摂取して、血漿量を増し、相対的に濃度を下げるしかないのである。 Topic 9 専門家および専門科の選択 ドーピングを行って副作用が発生したときに仲間内やインターネット上のブログや、SNSなどで相談しているケースが多いことはすでに述べた。 さらに専門家および専門科の相談が重要であることも述べた。 この中で意外とみなさんが知らないのがこの種のテーマに関する専門家と専門科である。 専門家としてはまずスポーツドクターという資格がある。 スポーツドクターの資格は複数の団体、学会が認定している。 そのひとつが日本体育協会(日体協)が認定するスポーツドクターである。 これは日本体育協会や各競技団体が推薦した医師が取得する資格である。 取得するにはさまざまな内容の講義を受け、単位を取得することが必要である。 認定される医師の専門科もさまざまである。 この資格は競技スポーツ医学も健康スポーツ医学も網羅している。 講義の内容は「スポーツ医学研修ハンドブック基礎科目」と「スポーツ医学研修ハンドブック応用科目」でいずれも文光堂から出版されている。 スポーツ医学に関する知識を得たい人は一読を薦める。 また、日本医師会では健康スポーツ医がある。 これは文字通り、医療との関係で健康スポーツとの関係で実施されている制度と解釈できる。 この上記2資格の講習ではドーピングに関する講習が行われている。 しかし、内容としてはドーピングコントロールの精神とその検査実施の実際について、またTUE(薬物の治療目的の適用措置)、すなわち病気に罹患している選手が治療として薬物使用をすることを許可する措置の申し込みの方法が主体である。 したがって、実際に副作用を呈した患者の措置などに対して講義は一切ない。 このあたりが問題点である。 一方、日本整形外科スポーツ医学会の認定するスポーツ医が存在する。 これはスポーツ整形外科に属する整形外科医が持つ資格である。 何らかのスポーツによる外傷が起こったときにはこの種の資格を持つ医師に診てもらうことを推奨する。 スポーツ整形外科を標榜している病院やクリニックではこの種の資格をもつ医師に雇用している場合が一般的である。 一方、ドーピングによる副作用を呈した場合に患者はどうすればよいかというのが関心事であると思う。 蛋白同化ステロイドや成長ホルモンなどの副作用の場合は内分泌を専門医にする医師が診察することが望ましい。 成長ホルモンやIGF-Iなどは内科の内分泌代謝科が望ましい。 ただし、最近は糖尿病内分泌科などの呼称の科が多い。 これはどうしても患者の人数などから医療経済学的には糖尿病科をメインにしないと経営的に成り立たないからである。 そうなると糖尿病の専門医が増え、成長ホルモンなどの内分泌の専門家は少ないのが現状である。 またエリスロポエチン EPO のような造血ホルモンの問題はむしろ多血によるさまざまな障害が多いので、血液内科やむしろ循環器内科の受診が望ましい。 一方、男性ホルモン・蛋白同化ステロイドやその周辺のhCGなどの薬剤による副作用は対処がむずかしい。 すなわち、内科の内分泌で生殖系内分泌を扱う医師が圧倒的に少ないのが現状である。 また副腎皮質ステロイドホルモン、特に糖質コルチコイド(グルココルチコイド)を含めたステロイドホルモンの専門医がおり、そのような先生方に診察していただくのが一方法である。 一方、前立腺や精巣などの生殖系臓器に関わる問題の時は泌尿器科の受診もある。 泌尿器科の中でもアンドロロジーに詳しい、すなわち男性ホルモンに詳しい医師のいる院所を受診するべきである。 内科、泌尿器科の専門家は日本生殖内分泌学会や日本アンドロロジー学会のホームページから事務局に連絡し、医師がどこにいるのかを相談することが望ましい。 また女性化乳房の治療は乳腺外科か形成外科の受診が望ましい。 しかしながら、専門家も含め一般の医師へのドーピングによる副作用を呈した場合の副作用の情報はまだまだ浸透しておらず、当然対処が未経験の医師が大多数であることも述べておきたい。 また蛋白同化ステロイドの使用や興奮剤の使用にともなう精神神経系の症状には基本的には精神科または心療内科のアプローチが必要である。 日本スポーツ精神医学界に所属する医師でかつ日本アルコール・薬物医学会に属する医師を探すのが理想である。 すなわち、うつ病などを専門とする医師は多いが、薬物によるさまざまな副作用を呈した患者を専門的に診る医師は少ない。 これを専門的にアプローチしたのが後者の学会である。 一方、前者はスポーツに関わる精神神経系の諸問題に詳しい医師が関わった学会である。 現状では両者を兼ね備える医師は少ないと思われるので,薬物の副作用という観点からは後者の学会に属する医師を選択がベターかもしれない。 以上、この問題に関する専門家および専門科の選択のポイントを私見として述べた。 参考にしていただければ幸いである。 Topic 8 テストステロン分泌能の評価の有用性 男性ホルモン・蛋白同化ステロイド(以下アナボリックステロイド)の大量投与をドーピングとしておこなうと、それによりさまざまな副作用を呈することになる。 大量投与を行うと自身のテストステロン分泌が抑制されてしまう。 副作用を呈している人の問題点に共通するのは、そのときのご自身の内分泌環境をきちんと客観的にとらえていないことである。 治療する段階に至っても内分泌学的検査を行っていないことが多い。 少なくとも医療機関を受診する際にテストステロン、フリーテストステロン、エストラジオール(E2)、LH、FSHの測定は必須である。 アナボリックステロイドの大量投与により血清中のテストステロン、遊離テストステロンの濃度が極端に低下することがある。 そのようなとき、さまざまな副作用が起こっている。 精巣の萎縮、勃起不全(ED)、女性化乳房、無精子症などの生殖の問題、うつややる気が出ないなどの精神神経系の問題が起こってくる。 重篤なのはアナボリックステロイドの投与を中止後も自身のテストステロンの分泌能が回復しないケースもあることである。 このようなことを防ぐために、ドーピングをする人たちはいわゆるステロイドサイクル中にHCGやクロミフェン、アロマタイゼーション阻害薬などの併用を行い、自身のテストステロン分泌を抑えようと試みている。 しかしながら、HCGやクロミフェン、アロマタイゼーション阻害薬の投与量や時期が適切でないために、効果が認められないことが多い。 したがって、病院や診療所において、アンチ・ドーピングの立場から、副作用による諸症状が起こったときには、治療としてきちんとした投与量や、投与期間の検討をする必要がある。 あるいは内分泌学的な測定値をモニターしながら、検討する貴重な材料とするのである。 ある副作用を呈したケースでは、HCGの投与量をいわゆるステロイドサイクルに記載されているものではなく、投与量と週に何回投与を行うかはそれより多い医療的投与量と回数を実施した。 それにより減少していたテストステロン、フリーテストステロンの値は正常値下限まで回復し、さらに副作用も軽減したケースが多い。 このように重要なことは副作用が発生したときには、仲間内の相談や、インターネット、ブログやSNSなどのやりとりでは専門医の介在もなく、治癒にはきびしいものがある。 やはり専門家による治療が望ましい。 Topic 7 日本におけるドーピングの副作用の治療の問題点とどう対処するか 日本においてドーピングを行って副作用が発生したときの治療については難渋を極めているのが現状である。 アンチ・ドーピングの立場から言えば本人が自分の意志で、場合によってはコーチから強制的にやらされている場合もあるかもしれないが、基本的には自業自得であると考える人が多いのは確かである。 その考え方が基本にあるためにスポーツ競技団体もこの事象に対する扱いも冷たい。 また医療機関もドーピングを行って発生した副作用の情報について知らない、知らされていない現状もあり、実際そのような患者も診たことがないので、治療に困るわけである。 またケースレポートも少ないので手探りで治療を行うことになる。 さらにこのような患者を治療した医師が実際、このような患者の治療に興味を示さないのでケースレポートを書かないので、その治療情報が広がって行かないという悪循環に陥っているのが現状であろう。 さらに医療機関においても保険診療を断り、自費での受診になる可能性もある。 副作用を呈した人がまず相談していると思われるのが、薬物使用者が参加するブログである。 このようなブログでは回答者は実際の体験談やかなりの医学的知識を持ち合わせており、女性化乳房などはそのアドバイスで治療している人が多いのが実際であろう。 しかしながら、治療がうまくいかない場合のフォローや次の一手がうてない欠点がある。 おそらくその段階で街の開業医や病院を受診するのだと考えられる。 しかし、街の開業医や病院では満足いく結果が出ず、人によっては大学病院や大病院を紹介されるケースもある。 しかしながら、そこに行っても満足いかない治療に難渋するケースが多い。 おそらく相当の数の人が副作用に悩んでいるものと思われる。 それでは副作用が発生したときどうするか。 手前味噌のようであるが、やはりこのホームページで相談することをおすすめする。 当方の相談コーナーはあくまでもアンチ・ドーピングの立場に立つものである。 それは当然理解していただき、その立場で薬物の使用は中止していただく方向を促したうえで、治療のアドバイスをさせていただく。 よくあるケースは病院の紹介である。 しかも受診するにあたって診断、治療のポイントを患者本人が知識を持って受診するか否かは重要な治療がうまく行くか行かないかの分岐点である。 また受診中も主治医のプライドを保つようにしながら、適宜アドバイスを行う。 主治医との関係がうまくいかないと治るものも治らない。 このようなサービスをボランティアで行っているので一度当方に相談することをおすすめする。 実際、ドーピング検査における薬物分析の研究を除いては、日本においてドーピングに関して審査を経て掲載された邦文、英文ともに執筆したのはほとんど自分のみの現状を理解していただきたい。 さらに内分泌、特に男性性科学を専門として薬物に詳しい医師として唯一の存在であるのでその点を直視していただければと思う。 また患者が首都圏の在住であればいったん高橋の診療する医療機関を受診してもらい、紹介状もあわせて発行することもある。 成長ホルモンの検出が可能になる(朝日新聞2月24日朝刊より) 薬物HGHで初陽性 プロラグビー選手処分 英国反ドーピング機関 英国反ドーピング機関は22日、禁止薬物のヒト成長ホルモン(HGH)を使用したとして、ラグビーのプロ選手を2年間の資格停止処分にしたと発表した。 ドーピング検査でHGHが検出され選手が処分されるのは世界で初めて。 筋肉増強作用があるHGHは検出が難しい薬物。 アテネ五輪から検査が始まり、北京五輪では最新の検査機器が導入された。 これまで選手が、使用を告白した例はあるが、同機関のパーキンソン理事は「検査で陽性反応が出たのは世界で初めて」と話した。 世界反ドーピング機関(WADA)のハウマン事務総長は「とても重要な一歩。 HGHは見つからないと言っていた選手たちは愚かだ」と述べた。 処分を受けたのは、31歳の元イングランド代表フッカー、テリー・ニュートン。 19日にHGHの使用を公表、所属チームを解雇された。 (AP=共同) 検出成功、大きな抑止力に 反ドーピング活動の中で、最大の懸案だったヒト成長ホルモン(HGH)の検出についに成功した。 1990年代から乱用が指摘され、96年アトランタ五輪は「成長ホルモンゲーム」とまで揶揄(やゆ)された禁止薬物。 なのに検査法の確立が難しく、筋肉増強剤として使い放題になっていた。 HGHの違反が発覚した例は過去にもある。 しかし、税関で押収されたり、捜査を受けた選手が自ら告白したりしたケースなどで、検査で陽性反応を示して突き止めたケースはなかった。 HGHは人の脳下垂体から分泌されるホルモンで、だれもが体内にもつ。 そのため、遺伝子組み換え技術を使って人工的につくられたものと区別するのが難しい。 早く代謝されてしまうことも検出を困難にしていた。 検査法開発のために国際オリンピック委員会(IOC)や欧州連合(EU)、WADAなどが計10億円以上の資金を拠出。 研究が進んだ。 検査は2004年アテネ五輪で初めて導入。 だが、投与後48時間以内でないと見つけられないという不完全なものだった。 06年トリノ大会、08年北京大会も陽性はゼロ。 検査の実効性を疑問視する声もあった。 検査用キットの生産が進まず、検査態勢の整備が停滞した時期もあったが、20年近い関係者の努力がようやく実った。 今回の成功は、HGH使用をやめさせる大きな抑止力になるだろう。 (酒瀬川亮介) ステロイドサイクル 2サイクル目の精巣組織(雄ラット) ステロイドサイクルを2サイクル施行し、テストステロンを分泌するライディッヒ細胞( )が萎縮、喪失した精巣の組織。 腺組織と腺組織の間に島状にあるライディッヒ細胞があまり見えない。 雄ラットにステロイドサイクルを2サイクル施行すると、心臓、精巣、および前立腺、腎臓、肝臓の組織に変化が出てくる。 1サイクル目でははっきりしない。 しかし、これではあくまでも解剖形態学的変化であり、1サイクル目にも機能的変化は来ている可能性はある。 ひるがえって人に当てはめて考えれば、ステロイドサイクルを繰り返している人は解剖学的にも臓器の組織形態に変化が出ることが考えられる。 「Anabolic Steroids、臨床家のためのの総説」紹介 今回のトッピクスはSports Medicineの02年32巻285ページに乗ったKutserらの「Anabolic Steroids、臨床家のためのの総説」について紹介したい。 ここで彼らは蛋白同化ステロイドがボデイビルダーなどのアスリートは熱心に蛋白同化ステロイドの情報を収集している事実を示している。 しかも作用や使用法については大変詳しい知識を持っている。 しかし、残念ながら得られるものバイヤーなどを通したエピソード的なものが多く、文献的な裏付けのあるものではない。 すなわち系統立てられたものではない。 蛋白同化ステロイドのアメリカ合衆国での使用状況について論説も加えており、高校生や大学生のスポーツに決して無縁ではないことを示している。 また蛋白同化ステロイドの生理や作用、副作用についても言及していた。 蛋白同化ステロイドを使用しているというかなりのプラセボ効果を強調していることも述べておく。 しかし、これまでの蛋白同化ステロイドの研究についても問題点を指摘していることも述べておこう。 ヒトを対象にした研究のため、すべての研究が単剤投与である。 実際の現場では併用(スタッキング)しているにもかかわらずである。 しかも投与量が実際使っている量よりも圧倒的に少ない。 併用の効果が知られていないにもかかわらず、多くの研究者は併用の研究を行っていない。 しかも共通パラメーターを使用していないので論文かの結果の比較が難しい。 このようなことが医師-患者関係の不足をもたらし、アスリートをアンダーグラウンドなステロイドハンドブックのような出版物に向かわせることを彼らは指摘している。 実際、高橋が蛋白同化ステロイドの副作用を呈した患者を診察すると教科書的なものよりもこれはと驚くと言うことが多い。 これがその背景であると感じる。 このような状況を含め、臨床および研究を進めて行きたい。 ワールドカップとドーピング 本年はサッカーの世界的競技会であるワールドカップが日韓共同で開催される。 当然この種の競技会ではドーピングコントロールが厳重に行われる。 ところでサッカーによるドーピングの特徴的なものはどんなことがあげられるか。 まずサッカーで頻用されるのが興奮剤の類である。 すなわちエフェドリン、フェニールプロパノアミン、アンフェタミン類が使用される。 マラドーナ選手の例などが典型である。 したがってこれらの興奮薬の常用による依存症的選手が散見されるがその治療はきわめてむずかしい。 興奮剤の使用がきっかけで起こる自律神経の失調やパニック障害などは実にやっかいである。 日本選手が海外に進出するのは大歓迎であるが、これらに染まらないで欲しいと祈るばかりである。 また持久性を高める薬物が使用される可能性も大きい。 エリスロポエチン EPO が多用されているが、日韓の6月の高温多湿(特に地球温暖化により高温が予想される)の気候を考えるとこれを使用した選手などは血栓形成に加えて脱水症状により突然死などの事故が起こる可能性もある。 先日のソルトレークオリンピックでもエリスロポエチンの類似物質であるダーベポエチンが使用された。 その他血液ドーピングも行われる可能性があり、いずれにしてもこれらを使用した事故に要注意である。 さらに男性ホルモン・蛋白同化ステロイドや成長ホルモンなどのいわゆる筋肉増強剤が筋肉増強のために使用されてくる可能性はある。 実際、男性ホルモン・蛋白同化ステロイドはヘモロビンを高め持久性を増す可能性もあり、クレンブテロールなどは興奮性もともなう可能性があるので要注意である。 現在のドーピングコントロール技術では検出できない成長ホルモン、ソマトメジンCの使用も憂慮される。 さらにドーピングの問題は別に選手だけではない。 フーリガンが日本国内でアンフェタミン、麻薬の使用で騒動を起こさないよう、そして日本の若年者に波及しないよう警備当局の奮闘に期待する。 男性化作用について 男性ホルモン製剤・蛋白同化ステロイドのドーピングによりイライラやちょっとしたことに対しても攻撃的になることがあるが、これはこれらの薬剤の男性化作用による。 不眠や脱毛、男性型ハゲ、性欲更新などもこの作用による。 一方男性ホルモン製剤・蛋白同化ステロイドの投与期間が長かったり、投与量が過剰であるとこれと逆に気分が落ち込んで何もやる気がおきない状態になる。 いわゆるうつ状態である。 また性欲低下、勃起不全などにもなる。 これは投与した男性ホルモン製剤・蛋白同化ステロイドがアロマタイゼーションにより女性ホルモン(エストロゲン)に変換される率が高まり男性ホルモン(アンドロゲン)とエストロゲンの比率が崩れるためである(ある種のアロマタイゼーションしない蛋白同化ステロイドはあることはあるが)。 女性化乳房も同様のメカニズムである。 また男性ホルモン製剤・蛋白同化ステロイドの投与を中止した時期にもこの種の症状が出現する。 精神神経症状にはイライラや攻撃的なときには抗不安薬(穏和精神安定薬)を中心に処方する。 またひどいときには鎮静薬にて対処する。 一方、アロマタイザーションによる相対的女性化によるうつには抗うつ剤を使用したいがこういう人に使うと相対的な女性化ということで依然として高アンドロゲン血症はあるのでまかり間違えると攻撃となって取り返しのつかないことも起こる。 やはり抗不安薬(穏和精神安定薬)を使って精神の安定を図ることが中心となる。 このような症状のある人は精神神経科医とよく相談する必要があるだろう。 女性化乳房について Copyright by Masato Takahashi,MD 男性ホルモン製剤・蛋白同化ステロイド(アナボリックステロイド)を使用したときに最も訴える副作用が女性化乳房である。 女性化乳房になるのは肝硬変の時や薬剤使用によるものが大部分である。 男性にとって乳房が膨らむということは脅威的なことである。 原因としては男性ホルモン(アンドロゲン)と女性ホルモン(エストロゲン)のアンバランスが原因である。 生体では男性ホルモンの代表であるテストステロンが女性ホルモンの代表であるエストラジオールに変換(アロマタイゼーション)する。 男性ホルモン製剤・蛋白同化ステロイドを投与するとその変換率が高まりこれらの薬剤からもエストラジオールに変換される。 そのために 男性ホルモン製剤・蛋白同化ステロイドを投与したのに女性化するのである。 これは乳房のみならず精神的にも女性化したりうつ的となる。 医学的には女性化乳房の治療乳癌と異なり生命に関わらないことからあまり熱心に行われていないのが現状である。 男性ホルモン製剤・蛋白同化ステロイドによる性化乳房の治療としては当然薬剤の中止である。 また、エストロゲンレセプター阻害剤やアロマタイゼーション阻害剤の使用であるが保険適用はなく自費治療である。 また素人治療を試みる人がいるがホルモンのバランスを崩す治療なのでやめた方がよいのは当然である。 最近ではアンドロステンジオンやサイクロフェニールを使用して女性化乳房による人が多いことも付け加えておく。

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婦人科スポーツドクターのマラソン日記: 女性アスリートとドーピング〜不妊治療を行いながら競技を続けられますか?

クロミフェン ドーピング

語源 [ ] 「ドーピング doping 」は、の dope( 英語発音: ドープ)に由来するで、「dope」のは諸説ある。 最も一般的に知られている説は、南アフリカの原住民が儀式舞踊を演じる際に飲用していたとされる「dop」という飲料に由来するというものである。 なお、dop を「カフィール族という部族特有の風習」とする説 が広まっているが、これは俗説である。 もう一つの説は、で「濃い」を意味する doop に由来するというもの。 この単語がに輸入され、様々な変遷を辿った上で「競技上のパフォーマンスを向上する目的で作られた薬剤の調合」という現在の意味になったという。 ちなみに、当初は「(の種子と混ぜたの煙)を用いて相手を朦朧とさせた上で盗みを働くこと」を意味するであった。 歴史 [ ]• 時代に競技者が等をドーピング目的で用いるようになる。 その後、には競走馬に対して麻薬や興奮剤が用いられる。 1865年、水泳競技大会で使用した選手がいたのが、ドーピング使用で残る最も古い記録である。 1886年、-間の600kmレースで、イギリスの選手が興奮剤トリメチルの過剰摂取により死亡。 記録として残る初の死者となる。 で開発されたなど様々な薬物がスポーツ界で使用されるようになり、ドーピングが蔓延する。 1928年、が興奮剤の使用を禁止、他の競技団体も追随するようになる。 しかし当時はドーピング検査が無く、禁止の実効性は乏しかった。 1960年、の自転車競技で興奮剤を使用した競技者が競技中に死亡。 オリンピックでのドーピング使用者で初の死者となる。 1966年、(UCI)と(FIFA)が、初のドーピング検査をそれぞれの世界大会で実施。 1968年、とで、オリンピック初のドーピング検査を実施。 1974年、 ()が禁止物質に指定される。 1976年、の検出が可能となり、で初めて禁止物質に指定される。 1986年、(IOC)が血液ドーピングを禁止方法に指定。 1990年、(EPO)が禁止物質に指定されるも、検出方法は未確立であった。 1999年、(WADA)が設立される。 これまでは、主に(IOC)がドーピングを取り締まっていた。 2000年、から血液検査が実施される。 2001年、(JADA)が設立される。 2003年、ドーピングを定義した世界基準の規程「世界ドーピング防止規程」(WADAコード)が採択される。 2018年、などによる「ドーピング」を、WADAが禁止リストに追加。 ドーピング禁止理由 [ ] スポーツの価値を損なうため ドーピングは、競技の楽しみや厳しさを奪い、結果としてスポーツの価値を損なうことになる。 の精神に反するため ドーピングは経済的な理由などで使える人が限られるため公平では無い。 スポーツは統一したルールのもと、公平に競い合うことが前提である。 健康を害するため ドーピングは、使用者の心身に悪影響を与えるが確認されており 、競技者等の安全や健康を守るためにもドーピングは禁止されている。 反社会的行為であるため、社会や青少年に悪影響を及ぼすため 選手がドーピングに手を染めていれば、ドーピングをよしとする風潮が蔓延してしまう。 事例 [ ] ドーピング騒動が繰り返されることで、その競技の公正への信頼性に疑念を抱かれ、場合によっては純粋にプレーする選手にも疑惑の目が向けられるなどの弊害が生じる可能性もある。 実例としてはの男子では、、のオリンピック2大会連続でメダル獲得選手がドーピング違反で摘発されたが、繰り上がりでメダルを獲得した国のハンマー投競技関係者ですら、喜びではなく競技への信頼性が損なわれることを懸念する声が並ぶ状態となった。 ドーピング騒動が繰り返されると国家への信頼が落ち、などの国際大会招致等に悪影響をもたらすこともある。 ではとの両都市には・両国がドーピングに関する批判を受けていたことで、ドーピングに関する質問が相次いだ。 ドーピング違反の種類 [ ]• 競技者の検体に禁止物質、そのもしくはマーカー が存在すること• 禁止物質もしくは禁止方法を使用すること、または使用を企てること• 競技者を陥れる(罠にはめる)ため、飲料や医薬品などに禁止物質を混入し、使用(摂取)させること• 検体の採取を拒否、回避すること• 居場所情報を提供しないこと• ドーピング検査の一部を不当に改変すること、または改変を企てること• 禁止物質または禁止方法を保有すること• 禁止物質もしくは禁止方法の不正取り引きを実行すること、または不正取引を企てること• 競技者を支援する要員 が、競技者に対して禁止物質または禁止方法を投与・使用すること、及び支援、奨励、援助、教唆、隠ぺいの形で違反を共同すること、若しくは企てること• アンチ・ドーピング規則違反に関与していた人とスポーツの場で関係を持つこと 禁止物質・禁止方法 [ ] 禁止物質及び禁止方法は、世界ドーピング防止規程に基づき、WADAが1年に1度以上改定して公表することになっている「 禁止表」と呼ばれる一覧表に列挙されている。 現在、禁止表は基本的に毎年10月に公表され、3ヵ月後の翌年1月1日から有効となっている。 市販の医薬品やサプリメントでも禁止物質が多数含まれているため、服用する際には成分表をよく確認するか、JADAと薬剤師会が認定するドーピング防止規程に関する専門知識を持った薬剤師であるに相談するなど、十分に注意する必要がある。 代表的な例としては鼻炎薬の、胃腸薬の、漢方薬の、のど飴の南天( () )、育毛剤のなどがある(茶やコーヒーなどに含まれているは2004年に禁止物質から除外され、監視プログラムに移行している。 禁止物質を含まない成分で作られたサプリメントの中には、JADAが「JADA認定商品」として認定して、そのサプリメントの安全性を保障しているものがある。 このような状況では「認定機関による検査実施時と同一ロットで製造された製品以外は一切服用できなくなる」として、ドーピング問題を扱う弁護士から「あまりにも厳しすぎる」という意見も出ている。 禁止物質 [ ] 禁止物質は3つに分類されている。 競技会外検査で禁止されている物質 2. 競技会時検査で禁止されている物質 3. 抜き打ち検査とも言われる。 競技会外検査で禁止されている物質 [ ] S0. 無承認物質 以下の項目に含まれていないとしても、どの政府保健医療当局からも承認されていない薬物(例、臨床開発中、あるいは臨床開発が中止になった薬物、デザイナードラッグ、動物への使用のみが承認されている物質)は常に禁止される。 蛋白同化薬 例、、、、、 S2. ペプチドホルモン、成長因子および関連物質 例、(EPO)、(hGH) S3. ベータ2 作用薬 すべてのは禁止される。 禁止物質の例示に2017年禁止表でが、2018年にが加わった。 ただしなどの治療に用いるで下記のものは、24時間最大投与量や尿中濃度に制限はあるが使用可能。 、、 S4. ホルモン調節薬および代謝調節薬 例、、、、、類 S5. 利尿薬および隠蔽薬 2018年禁止表でが除外された。 例、、、、、類(ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド等) 閾値水準が設定されている物質とともにS5. の物質が検出されたときは、TUE(後述)が承認されている場合を除き、違反が疑われる対象となる。 競技会時検査で禁止されている物質 [ ] 競技会外検査で禁止されている物質の「S0. 無承認物質~S5. 利尿薬および他の隠蔽薬」に以下のS6. 興奮薬~S9. 糖質コルチコイドが 加えられる S6. 麻薬 いわゆる系鎮痛剤が中心だが、日本の国内法の麻薬以外の物質も含まれる。 例、、、 S8. カンナビノイド 例、(マリファナ)、、 (CBD)は除外されるが、禁止物質が検出され陽性結果となる場合があるため注意が必要 S9. 糖質コルチコイド。 全身的な利用である経口、静脈内、筋肉内、経直腸の投与はすべて禁止(外用、吸入、局所注射などは禁止ではない)。 例、、、 特定の競技においてのみ禁止される物質 [ ] P1. であったアルコールが除外され、P2. であったベータ遮断薬がP1. になった。 監視プログラム [ ] 監視プログラムとは、検査はされるが検出されてもドーピング違反にはならない物質。 禁止表の改定の際に、ここから禁止物質へ移されることや、逆に禁止物質からここへ移されることがある。 スポーツにおける濫用のパターンを把握するために監視することを望む物質。 蛋白同化薬 2. ベータ2作用薬 ベータ2作用薬同士の組合せ 3. 2-エチルスルファニル-1H-ベンゾイミダゾール(ベミチル) 抗不安薬(ロシア) 4. 興奮薬(競技会(時)のみ) 例、、 5. 麻薬(競技会(時)のみ) 例、、 6. 競技会(時)は経口投与、内使用、筋肉内使用、または経直腸使用以外の投与経路 競技会外はすべての投与経路 2018年監視プログラムで、が除外された。 禁止方法 [ ] 禁止方法は競技会時検査及び競技会外検査で禁止されている。 血液および血液成分の操作 例、 M2. 化学的および物理的操作 例、のすり替え、尿の改質、静脈内注入(ただし、医療機関の受診過程、また臨床的検査において正当に受ける静脈内注入は除く)、6時間あたりで50mLを超える静脈注射 M3. ドーピング 例、遺伝子編集、遺伝子サイレンシング、遺伝子導入技術、など 外傷治癒のため、形質転換していないの単独使用を禁止するものではない 競馬 [ ] 詳細は「」を参照 Global DRO [ ] The Global Drug Reference Online(Global DRO)は、競技者及びサポートスタッフに対し、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の現行の禁止表に基づき、禁止物質についての情報を提供するシステム。 イギリス、カナダ、アメリカ、日本で販売されている商品名での検索が可能で、PDFファイルで出力することで、いつ検索したか、どのような情報を得られたのか、という証拠を残すことができる。 医学的アドバイスや治療方法を推奨したり、提供しているわけではなく、掲載されている商品や物質を推奨したり、掲載されていない商品や物質についてアドバイスをしているわけではないため 、最終的にその商品や物質を使うか否かの判断は競技者及びサポートスタッフに委ねられる。 薬に関する問い合わせはやを使うよう明記されている。 TUE(治療目的使用に係る除外措置) [ ] 病気をかかえ、治療のために禁止薬物や禁止方法を使用しなければならない競技者のためにTUE(治療目的使用に係る除外措置、: Therapeutic Use Exemptions)という手続きがある。 事前に申請手続きを行い、TUE委員会の審査を経て認められれば、禁止物質や禁止方法を使用できる。 通常は使用前に申請を行って承認を得ることになっているが、緊急治療など不測の事態に限っては、使用後の申請でも例外的に認められることがある。 アスリートが、公平、公正に競技に参加する権利。 居場所情報の提出 [ ] JADAまたは国際競技団体 International Federations, IF の検査対象者登録リスト Registered Testing Pool, RTP へ登録された競技者 Registered Testing Pool Athlete, RTPA には、競技会外検査に対応するために居場所情報を提出することが義務付けられている。 居場所情報は、四半期ごと、世界ドーピング防止機構(WADA)によって制作されたWEBベースのシステム「ADAMS」で提出する。 日本代表チームの合宿情報は、四半期分をJADAに提出する。 居場所情報義務違反 [ ] 居場所情報未提出や検査未了が、12ヶ月の間に3回累積すると、ドーピング防止規則違反となる可能性がある。 2012年度から、ADAMSに電話番号を登録してある場合に限り、指定した60分枠の終了5分前に不在確認の電話が入ることになった。 検査 [ ] 競技者へ検査対象となったことを通告し、検査へ臨むまで行動を監視する担当者は、シャペロン(Chaperone)と呼ばれ、特別な資格は必要ない。 ドーピング検査員(ドーピング・コントロール・オフィサー、Doping Control Officer; DCO)と採血専門官(Blood Collection Officer; BCO)は、JADAが主催する講習会や実地訓練を受け、資格認定を受ける必要がある。 尿検査 [ ] シャペロンから通告された競技者(通常は、メダル獲得者など成績上位者に加えて、無作為に抽出された競技者)は、DCOの監視の下で準備をして検査室へ向かう。 到着後、競技者は書類に7日以内に使用した薬とサプリメントを記入してから、複数の採尿カップからひとつを選び、同性のDCOが見ている前で採尿する。 採尿が終わった後、競技者は複数のサンプルキットからひとつ選び、採尿カップの尿をサンプルキットのA・B二つの検体ボトルに自身で分け入れて封印する。 尿は国内唯一のWADA公認ドーピング分析機関であるで分析される。 A検体にドーピング違反の疑いがあった場合に書面で通知され、さらにB検体も陽性だった場合にはドーピング違反となり、通知日より14日以内に聴聞会が開かれる。 血液検査 [ ] 医療従事者であるBCOが血液検体を採取する。 アスリート生体パスポート(ABP) [ ] 競技者の血液データを長期間継続して記録を行いデータベース化し、通常値との比較で異常値を見つけ出す評価手法。 詳細は「」を参照 聴聞会 [ ] 日本においては、日本ドーピング防止規程に基づいて、医師と法律家で構成される「日本ドーピング防止規律パネル」が聴聞会を開いて、ドーピング違反をした競技者の主張を聞き、判断をして競技者に課す制裁措置を決定する。 制裁措置 [ ] JADAに加盟する団体の競技者がドーピング違反をした場合は、日本ドーピング防止規程に基づいて制裁措置が課せられる。 特定物質 を含むドーピング違反であれば、競技者が「特定物質の使用が競技力向上を目的としたものではないことを証明」できれば制裁措置が軽減されることがある。 JADAに加盟していない団体の競技者のドーピング違反は、その団体の独自の規程により処分内容が決定される。 不服申立て [ ] JADAに加盟する団体の競技者が制裁措置の内容に不服がある場合には、(JSAA)及び(CAS)に制裁措置決定から21日以内に不服申立てを行いにより解決をする。 日本におけるドーピング問題 [ ] 日本におけるドーピング問題は、近年まであまり問題視されることはなかったが、同時に禁止薬物についての認識が薄いという問題もあった。 のでは、男子選手が風邪薬として服用したに禁止薬物の成分(興奮剤)が含まれていたことが検査で発覚した。 この時はトレーナーが薬を手配し、本人にその認識が全くなかったことからトレーナーには処分が下されたが、選手本人は免除されている。 日本においては1985年のが契機となり、国内に初のドーピング検査機関が設けられた(現在はが唯一検査業務を担っている)。 ドーピング問題はこれまでの所、さほど深刻なものとなってはいないが、それでもドーピングで出場停止を課される選手が散発的に出ている。 (国体)を主催するは JADA(後述)加盟団体の一つで、2003年の静岡国体から、ドーピング検査を実施している。 を公開し、処方薬・市販薬のを例示している。 国内競技における規制・検査の進展 [ ] 日本におけるプロ団体・アマチュア団体・プロアマ統括団体の多く は2001年に設立された公益法人( JADA)に所属し、(IOC)や(WADA)、各国の国内オリンピック委員会(NOC)等のドーピング・コントロール機関と連携しながら、競技会検査や競技会外検査の実施をしている。 しかし、 (NPB)、 、 、 はJADAに所属していない(アマチュア競技を統括する、、、は、JADA加盟団体)。 それぞれ独自の方法でドーピングに対処している。 は2018年、「ドーピング検査標準研究ラボ」を設置した。 に向けた検査体制強化の支援を求めたWADAの要請に対応した。 ドーピング規制の進展で禁止薬物が数百種類にも増えているため、定量などの分析・検出技術を高度化する。 日本野球機構 NPB におけるドーピング問題 [ ]• NPBでは、2000年代に過去のドーピング問題が登場した。 、が自らの著書で時代にアナボリックステロイドを使用していたことを告白。 2000年代前半、やが疲労回復のためにニンニク注射を受けていることが、ドーピング問題とは異なる文脈でたびたび採り上げられた。 この点について、注射の成分にかかわらず、(WADA)は正当な治療目的以外の静脈注射を禁じている。 2005年5月、3年前までNPBに所属しておりに所属中のがドーピング検査で陽性を示して50試合の出場停止処分を科された。 使用薬物は公表されなかった。 4月28日、マイナーリーグのAAA級に所属する投手が薬物検査に引っ掛かり、50試合の出場停止処分を科された。 使用薬物はステロイドホルモン。 2007年12月13日、(MLB)での筋肉増強剤使用の実態調査をしたが公開されたところ、やら日本プロ野球に所属中および所属していた選手11人の名前もあったが、当時のNPBのコミッショナーであるはNPBの薬物対策に問題はないとし、報告書とは無関係の立場を取った。 以上のような経緯を受けて、2006年にNPBがシーズン中に啓蒙期間として罰則なしのドーピング検査を104人に実施したところ、その中に陽性事例があったことをコミッショナー事務局が発表(ただし悪質ではないと主張。 氏名は公表せず)。 2007年以降、同機構は機構内にアンチ・ドーピングガイドを掲げ 、独自の方針でドーピング検査を実施・公表している。 違反者は、NPB医事委員会の報告の後にNPBアンチ・ドーピング調査裁定委員会で審議され 、その結果により譴責・10試合以下の公式戦出場停止・1年以下の公式戦出場停止・無期限出場停止のいずれかが科される。 これまでに、(20日間出場停止)、(1年間出場停止)、(1年間出場停止)、(譴責) 、(6ヶ月間出場停止)、(1年間出場停止)、(6ヶ月間出場停止)の7人が制裁を受けた ほか、が疲労回復目的で「ニンニク注射」と呼ばれる点滴を受けていたことが判明したが、NPBは「吉見選手に対する治療は医学的に正当な適応による治療行為の範疇に入る」として不問とした。 NPBにおけるドーピング検査の実態とMLBとの比較 [ ] NPBの実施方法として言われているのは、「指定した試合」 でベンチ入りメンバーでくじ引きをして各チーム2人ずつの尿を試合後に関係者立会いの元で採取し、専門機関に分析させる方法である。 もっとも、対象となる試合は年間25~30試合程度・100人程度であり、「例えクロの選手がいたとしても、検査対象に当たる可能性は極めて低い」とされている。 元捕手のは、検査のくじがあたったのは引退するまで1度だったと述べている。 2017年度シーズンからも実施される。 これに対して、MLBでは、メジャーリーグベースボールのドーピング問題が1990年代後半から2000年代前半にかけて問題視されたため、2004年から対策に乗り出した。 2009年の1年間で3722人の検査を実施したとの報道がある。 筋肉増強などの目的でステロイドに代わって普及したhGH()は従来の尿検査では検出が難しいとされてきたため、2013年1月10日、MLB機構と選手会がシーズン中でもhGHを摘発するための抜き打ちの 血液検査を実施する事で同意し、現在は血液検査まで課されることになっている。 「」を参照 その他アンチドーピング機構に加盟していないスポーツのドーピング対策 [ ]• は、2009年から独自にドーピング検査を実施している。 ドーピング検査で採取した検体は、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)認定の検査機関に空輸で送り検査を受けている。 は、監督官庁であるからの指導によりアンチ・ドーピング委員会を設置。 2009年からドーピング検査実施の方向で進んでいたが 、2010年3月に委員が亡くなってからはうやむやになって同委員会は機能していなかった。 2011年11月にが体重を増やすために親方からをされていたことが判明したことを受け、文部科学省から再度指導がなされ2012年にドーピング防止委員会が設置されて講習会が開かれた が、力士からは冷ややかな声が漏れていた。 結局、ドーピング検査は行われていない。 は、これまで具体的なドーピング検査の報告がなく、また、ドーピング検査に関する規程、及び禁止物質検査機関などを公表していないため、ドーピング検査を実施しているかは不明。 他者からの薬物の混入によるドーピング違反(パラドーピング) [ ] 2018年1月9日、(JADA)は、国内で初めての「他者からの薬物の混入」によるドーピング違反発覚を発表した。 このような行為を パラドーピングという。 2017年9月に開催された日本選手権()で、がライバル選手をドーピング違反に陥れるため同大会で優勝したの飲み物に禁止薬物である筋肉増強剤 () を混入させ、ドーピング検査で陽性となっていたことがわかった。 同年12月13日付で、鈴木には約8年間の資格停止およびからの除名処分が決定した。 小松の同大会での成績は抹消され、同年10月20日付で通知された暫定的資格処分は科さずに救済した。 なお、鈴木はドーピングとまた別に、小松や実力が同程度の選手5~6人に対して機器の窃盗やの破壊などの妨害活動を行ったと自白した。 この報道を受け、元陸上選手のがで「誰かから渡された飲み物は飲まないこと」「は必ず開けた時に音がするか確かめるよういわれた」とツイートしている。 処方された胃薬に混入していた薬物によるドーピング違反 [ ] 6月16日に開催された、全日本選抜選手権(東京)で、男子グレコローマン77kg級準優勝 の阪部創( )から、競技会検査において実施されたドーピング検査で禁止物質(S5. 利尿薬および隠ぺい薬)であるが検出された。 その後B検体からも検出されたため、同大会を含めた暫定的資格停止期間の開始日である8月16日までに獲得したすべての個人成績が失効し、メダル・得点・褒章が剥奪された。 競技者が検査機関に持ち込んだ当該医薬品からアセタゾラミドが検出されたことから、競技者に過誤も過失もないことが認められ、暫定的資格停止は2019年2月22日に取り消され、資格停止は課されないこととなった。 競技者は2019年6月の全日本選抜選手権で復帰戦に臨んだが、初戦で敗れた。 同年3月4日、は、胃炎・胃潰瘍治療剤「Na顆粒66. 同年4月22日、沢井製薬、原薬を販売したが連名で提出した報告書をJADAが公開した。 陽進堂の業務提携先で原薬製造元であるインドのNAKODA社の製造ラインで、生産設備を共有しているエカベトナトリウムにアセタゾラミドが残留し、最終製品までキャリーオーバーしたことが原因との調査結果を発表した。 国内のアンチ・ドーピング規則違反決定 [ ] 国内のアンチ・ドーピング規則違反決定は、JADAが一般開示している。 2018年度• 自転車 - メタンジエノン、クロミフェン - 競技成績の失効、資格停止4年間• レスリング - アセタゾラミド - 競技成績の失効• 自転車 - ビランテロール - 競技成績の失効、資格停止6ヶ月間• ボディビル - クロミフェン - 競技成績の失効、資格停止2年間• 陸上 - クロミフェン - 競技成績の失効、資格停止2年間• パワーリフティング - メテノロン、ボルデノン、クロミフェン - 競技成績の失効、資格停止4年間 2017年度• 水泳 - 1,3-ジメチルブチルアミン - 競技成績の失効、資格停止7カ月間• カヌー - メタンジエノン - 競技成績の失効• レスリング - クレンブテロール、メチルエフェドリン - 競技成績の失効、資格停止1件8ヶ月間• カヌー - 禁止物質の投与 - 競技成績の失効、資格停止8年間• 陸上 - メテノロン - 競技成績の失効、資格停止1件3ヶ月間• フェンシング - プレドニゾロン、プレドニゾン - 競技成績の失効、資格停止1件3ヶ月間 2016年度• ボディビル - ドロスタノロン、クレンブテロール - 競技成績の失効、資格停止3年9ヶ月間• ボディビル - メタンジエノン - 競技成績の失効、、資格停止4年間• ボディビル - 1-テストステロン、1-アンドロステンジオン - 競技成績の失効、資格停止4年間• サッカー - メチルヘキサンアミン - 競技成績の失効、のみ• 自転車 - 1-テストステロン、1-アンドロステンジオン - 競技成績の失効、資格停止4ヶ月間 IOCにおけるドーピングへの対応 [ ] は以下のようなを作成している。 第1種ブラックリスト 次のような行為を犯したものに対しては記録およびメダル等を剥奪し、IOCの第1種ブラックリストに登録され、登録された選手および関係者は永久追放処分とし、理由を問わず生涯除外されない。 ドーピング検査を組織的に不正操作もしくは行為またはそれらの疑惑が発覚し、再検査を拒否し続けた場合(開催国からの国外逃亡も含む)。 意図的に組織ぐるみで行われていたと確証があった場合。 にドーピングのがあり、常習犯と認定された場合。 その他IOCの審査により第1種ブラックリストに登録した方が適切だと認定された場合。 第2種ブラックリスト IOCの第2種ブラックリストの登録はドーピング検査で陽性反応または検査拒否を犯したものに対しては記録およびメダル等を剥奪し、IOCの第1種ブラックリストの対象外であることを条件に、登録された選手および関係者は無期限の出場停止、期限付きの出場停止、各国の立法によっては懲役刑または罰金刑、追加処分保留などがあり、処分完了後は除外される。 但し懲役刑または罰金刑に関してはIOCの審査により第2種ブラックリストに登録される可能性がある。 ドーピングの法的問題 [ ] 覚醒剤などの違法薬物の使用や、医師等の処方が必要な管理薬物の不正入手などによる場合はむろん例外であり、単純な所持だけでも厳罰になることもあるが、一般に医師などにより処方された薬物を自分自身に投与することは、たとえそれが本来の目的外の使用であり、結果として健康に良くない行為であったとしても個人の自由の範疇にある限り、違法性を問うことは難しい()。 しかし現実には、プロスポーツやオリンピックなどの公的大会では、選手が自己の意思により正当な手続きを経たものであったとしても、ドーピングはその行為をもって大会参加や入賞資格の剥奪理由とされ、あるいは解雇の対象とされる。 この場合、他者危害の原則(他人に危害を加えない限り自己のことは自己で決定する権利を持つ)を逸脱した(かのように見える)ドーピング規制が現実の財産権の侵害(解雇など)や名誉の毀損(タイトル剥奪など)をもたらすことになり、この場合はドーピング規制の倫理的・法的根拠が問題となる。 倫理学者のは、3つの面からドーピング規制を説明する。 第一は競技ルールの点で、ドーピング自身は自己危害の範疇であり、その使用が法律上禁止されていなくても、スポーツのルールとして禁止することを妨げるものではない。 第二は選手の健康を現実に損なうことである。 第三はドーピングは社会悪であり、個人の自由と権利を損なうことである。 勝利と名誉のために副作用を受けても良いという選手がいたとしても、それは近代社会が保障しようとする自由や権利を逸脱している。 ドーピングしないで真面目に練習に励み、競技に挑んでいる他の選手の正当な自由と権利を踏みにじり、規則を破ってまで求めようとする身勝手な「自由」と「権利」は受け入れられるものではなく、否定し排除されるべきものである。 特に第三点については「みなドーピングを使えば良い」「ドーピング使用者と不使用者を区別すればよい」というドーピング容認論がありえるとし、そのうえで第一・第二の危険性を考慮したうえでも「使ったもの勝ち」の不公平が重大であり「正直者が損をする」ことがないように倫理命法として「ドーピングの禁止を徹底することによって正直者が損をする不公正を防ぐべきだ」は正当性をもつとする。 ドーピングに刑事罰を課す国 [ ]• 本項は「ドーピング規則違反と「厳格責任」原則について」森本陽美(明治大学法律研究所,法律論叢第83巻2011. 2) から各国法制について解説する目的で引用・起筆している。 世界的にドーピング違反を刑罰の対象とする国は少数であるが、詐欺罪などの形で何らかの刑事罰を課す国は増加している。 第94回オリンピック委員会では各国政府にドーピングのための特別法の制定と適用を求めている。 ドイツでは2007年に「スポーツにおけるドーピングの防止を改善するための法律」が制定され、禁止薬物を所持した場合3年以下の自由刑または罰金、特に重大な場合は1年以上10年以下の自由刑に処せられる。 オーストラリア(、、)では、ドーピングにより何らかの利益を得た場合は詐欺罪として最高10年から15年の自由刑が課せられる。 イタリアでは反ドーピング法9条により、禁止薬物を使用した選手は3ヶ月以上3年以下の禁錮刑と2500以上5000ユーロ以下の罰金刑、禁止薬物を提供した者には2年以上6年以下の禁錮刑と5000以上7500ユーロ以下の罰金が課される。 スポーツ団体にも制裁が課される。 フランスでは1965年にドーピングを刑事罰の対象としたが2006年に行政罰を厳格化し、禁止薬物を選手に与えた場合最高5年の禁錮刑と75000ユーロの罰金、禁止薬物を摂取した選手がドーピング検査を拒否したりフランスアンチドーピング機構の判断に服さない場合最高6ヶ月の禁錮刑と7500ユーロの罰金が課される。 選手がドーピングにより何らかの利益を得た場合は詐欺罪とし5年以上10年以下の禁錮刑と375000ユーロの罰金が課される。 オーストリアでは2010年より禁止薬物の使用を詐欺罪とし、10年以下の禁錮刑とした。 スペインでは2009年より6ヶ月以上2年以下の禁錮刑とした。 スウェーデンでは1991年より最高4年の禁錮刑とした。 ギリシャでは最高2年の禁錮刑が課される。 アメリカでは2004年に禁止法が制定され、ドーピング使用が違法化された。 禁止薬物の処方箋なしでの販売について最高懲役5年または1万5千ドルの罰金または2年間の保護観察処分が課される。 再犯は懲役10年、3万ドルの罰金、4年間の保護観察処分が課される。 異常な分析結果といわれる陽性反応。 (ドーピング違反) *AAF: Adverse Analytical Findingsの略。 違反が疑われる分析結果といわれる陽性反応。 蛋白同化薬 1479 48% S6. 興奮薬 474 15% S5. 利尿薬および他の隠蔽薬 389 13% S9. 糖質コルチコイド 252 8% S4. ホルモン調節薬および代謝調節薬 145 5% S3. ベータ2 作用薬 122 4% S2. ペプチドホルモン、成長因子および関連物質 91 3% S8. カンナビノイド 73 2% S7. 麻薬 26 0. 8% P2. ベータ遮断薬 25 0. 8% M2. 化学的および物理的操作 3 0. 1% P1. アルコール 0 0% M1. 血液および血液成分の操作 0 0. 0% 陽性反応が検出された回数が多い禁止物質の主な内訳(物質名、陽性反応検出数)• 蛋白同化薬• 、251件• 、239件• 、195件• 、123件• 、81件• dehydrochloromethylテストステロン、76件• 興奮薬• 、76件• 、71件• 、70件• 、46件• 利尿薬および他の隠蔽薬• 、128件• 、120件• 糖質コルチコイド• 、74件• 、56件• ホルモン調節薬および代謝調節薬• 、42件• 、33件• ベータ2 作用薬• にもあぶった牛ののを飲む、の葉を噛むなど、天然由来の薬物を摂取した選手たちの記録が残っている。 1800年代 [ ]• 近代スポーツ史上初めて報告されたドーピングの事例は、にの運河水泳におけるオランダの選手によるの使用である。 1886年-間の600km自転車レースでイギリスの選手がオーナーから投与のの過剰摂取により死亡、近代スポーツ初の死者となった。 その他にも19世紀後半にはの選手が痛みや疲労の抑制のためにカフェインやエーテル付き砂糖といった薬物を使用していた。 1900年代前半 [ ]• のマラソンではアメリカのが優勝し、ゴール後そのまま倒れた。 数時間かけて介抱され意識が戻ったが、ヒックスは疲労防止のために入りのを飲んでいた。 ただし、当時はルール違反ではなかったため現在も公式の金メダリストとされている。 1900年代後半 [ ]• においては自転車のロードレース競技でのが急死する事件が発生。 調査の結果、興奮剤を服用していたことが判明する。 、に参戦中の()が直前で倒れて急死。 体内から、、などが検出され、限界を超えた走りをしたためと確認された。 、で(アメリカ)が400mに出場し優勝したものの、検査でが検出されてメダル剥奪となった(ドーピング検査による金メダル剥奪の第1号選手)。 デモントはの持病があり、チームドクターらが「エフェドリンは喘息治療上欠かせない薬物であり、競技における不正の意図はない」と訴えたが、IOCはこれを退けた(医療目的の薬物を使用したことによる、初のドーピング)。 のの70m級ジャンプで金メダルを獲得したが、の西ドイツ亡命後、とを五輪当時服用していたこと、以降はチームドクターとしてナショナルチームやジュニアチームに服用させていたことを証言した。 で当時の世界新記録を出したがドーピング禁止薬物の検出により失格となり世界中に衝撃を与えた。 陸上女子における、、中国の(ら)などの驚異的な世界記録はドーピングによるものではないかという疑惑は現在でもつきまとっている(ただし再検証は困難であるため、記録は抹消されていない)。 1980年代の旧やなどのにおいて「ドーピングが国家レベルで組織的に行われていた」とする証言が多数存在している。 その残滓とも思われる世界記録は今でも多く破られずに残っている。 詳細は「」を参照• 、で広範囲なドーピング疑惑が噴出した。 ここで問題となった通称EPO()と呼ばれるドーピングを行うと、赤血球の生成を促進することでが増加し、血液の酸素運搬能力が向上させて持久力を上げることが可能だが、血液が濃くなり過ぎることで人体に重篤な障害を引き起こす可能性があり、ヘマトクリット(血液中に占める血球の容積率)の許容値を規定することで規制しようとの動きが活発になった。 のスノーボードの試合で金メダルを獲得した がドーピング検査の結果の反応が出たため、メダルが剥奪されかける騒ぎがあった。 ただし、オリンピックの時点では、既に大麻を吸っていなかったことなどから、最終的に処分は取り消されている。 2000年代 [ ]• 10月、アメリカの会社である(BALCO)社がスポーツ選手に禁止薬物を提供していたとされるが発覚し、同年12月のでMLBのに所属するがステロイドの使用を認める発言をしていた事がのちに明らかになり、MLBにおけるドーピング検査が強化されるきっかけとなった。 ステロイドの使用を否定した陸上女子のはでされた。 ジョーンズは12月13日にで獲得した3つの金に2つの銀メダルを全て剥奪され 、1月12日に6か月の判決を受けた。 同じくステロイドの使用を否定して偽証罪で起訴された元MLBのは専属トレーナーのが証言の拒否を続けた事もあり、4月13日にのみ有罪とする評決を言い渡された。 同年12月15日に2年間の処分と30日間の自宅謹慎が言い渡された。 でも、24人がドーピングを行っていたとされる。 その中には出場辞退したギリシャの2選手、で渦中の()やのイリーナ・コルジャネンコ(、のでもあり)なども含まれている。 2005年2月に元MLB()のが 『』を出版して、MLB選手の85%がステロイドを使用している、もしくは使用した事があると述べ、元チームメイトのジェイソン・ジアンビ、、、、がステロイドを使用しているところを目撃した事があると実名で挙げた。 パルメイロは同年3月17日から開かれたで自身の薬物使用を否定した一方で、マグワイアは自身の使用に関する質問に対する返答には実質的にを行使した。 なお、パルメイロは同年8月1日にドーピング検査で違反が発覚し、10日間の出場停止処分を受けた後、8月30日を最後に現役を引退した。 また、マグワイアは古巣の打撃コーチ就任に際し、1月11日に放送された特別番組でとを繰り広げたシーズンを含めてステロイドを使用していた事を認め、謝罪した。 12月13日、(CAS、Court of Arbitration for Sport)は陸上男子100メートルで米の元世界記録保持者 30 に対し、2005年6月から2年間の資格停止とすると発表した。 併せて、以降の成績は全て抹消されることになり、9月にマークした9秒78の世界記録(当時)も無効になった。 2月9日、の統括機関であるが、同年に行われた同国最大の競馬の、に出走し1位に入線したフランス所属のジャグドベルウから禁止薬物のが検出されたと発表。 調査の結果として競走馬関係者の故意でも過失でもなかったことが判明したが(飼料の製造中の事故による混入だった)、規程により失格となった(正確にはドーピングではない)。 同事件はフランスやスウェーデンなどで大きく報じられた(詳細はを参照)。 2006年3月17日、(IBAF)は、国別対抗戦「(WBC)」で準決勝に進出した代表の投手にドーピング検査で陽性反応が出たと発表した。 WBC初めての違反者となった朴明桓は、登録枠30人から除外されることになった。 2006年5月、により、自転車で大規模なドーピング事件が発覚。 この事件によりが引退、が長期出場停止となるなど多くの選手に影響が及んだ。 またこの事件の余波はも続き、同年出場中のがチームから追放処分を受けるなど、ロードレース界におけるドーピング問題の根の深さが明らかになった。 2006年10月19日、フランスの競馬統括機関であるは同年にフランスのにて行われた競馬のにおいて、3着に入線した競走馬の馬体から禁止薬物であるが検出されたと発表した、その後フランスギャロは同年11月16日に同馬に失格の裁定を下した。 詳細は「」を参照しかし、レース当時、日本の法律上ではこの薬物は禁止薬物には指定されておらず、海外でもアメリカやイギリス、アイルランドでも指定されていなかった(後に指定された)ため、フランスが厳しかったのではとの意見もある。 2007年5月8日、のに所属する選手が静脈注射を行い、Jリーグドーピング委員会が我那覇の健康状態に対し、当該静脈注射が緊急かつ合理的な医療行為とは認められないものであり、ドーピング禁止規定に抵触することから、6試合の出場停止処分を科した。 しかし、実際は点滴にビタミンB1を追加していただけであり(疲労回復目的のいわゆる注射とも異なり、医療目的の範囲で投与されたに過ぎなかった)、全てのJクラブのチームドクターから連盟に質問状を出される事態となった。 その後、CASで我那覇の無罪は認められ、Jリーグは謝罪したが、我那覇は潔白を証明する為に大きな精神的負担・経済的負担を余儀なくされた。 2007年8月10日、NPBのに所属するリック・ガトームソンがドーピング(薬物使用)検査で陽性反応を示したため、この日から20日間の出場停止処分と、ソフトバンク球団に制裁金750万円を科した。 日本のプロ野球でドーピング違反が発覚したのは初めて。 原因は約2年前から服用しているに禁止薬物である「」が含まれていたものであり、2007年2月のキャンプで服用していることを球団側に伝えていたため、本人への処分は比較的軽くなり、球団側への処分は重くなった(なお、フィナステリドについては2009年より禁止薬物から除外されている)。 2007年12月13日、2006年3月にMLBのから選手のドーピングに関する調査責任者の就任任命を受け調査を進めていた、元上院議員によるミッチェル報告書が発表され、その中で、バリー・ボンズ、、、といった有名選手の疑惑が取り上げられた。 2008年5月26日、NPBのに所属するが同年4月30日の対戦終了後に行われたドーピング(薬物使用)検査で禁止薬物の一つである「グリーニー」(興奮剤でクロベンゾレックス製剤。 体内でやパラヒドロキシアンフェタミンを生成する。 名は緑色の錠剤であることにちなむ)が検出されたため、5月26日から一年間の出場停止処分が科され、これを受けて巨人はゴンザレスを解雇処分とした。 ゴンザレスの働きでチームの勝利につながった試合もあったため、球界全体を揺るがす騒動になった。 なお、日本のプロ野球においてドーピングにより解雇処分となったのはこれが初めてとなる。 2009年2月7日に『』誌の報道により、2003年のドーピング検査で104人のMLB選手が陽性反応を示していた事が明らかになった。 ニューヨーク・ヤンキースに所属するも含まれ、テストステロンとの陽性反応を示していたと報じた。 9日にのインタビューに応じ、時代にステロイドを使用していた事を認めて謝罪した。 MLBのに所属するミゲル・テハダはアメリカ議会下院公聴会でhGHを購入していた事を認めたが、使用は否定したために2009年2月10日に偽証罪で起訴され、翌11日には虚偽の証言をした事を認めた。 3月26日に1年間の保護観察処分と5000ドル(約50万円)の罰金と100時間の社会奉仕活動を言い渡された。 2009年10月22日、NPBのに所属するに対し、が反ドーピング規定に抵触する可能性があるとして、東京都内で本人に事実確認をし、23日に球団にカルテなどの資料の提出を求め、詳細に検討する意向を示した。 これは『』が同年10月22日付で、吉見がインタビューに応じる形で「今年7月途中から、登板前後にナゴヤドーム内の医務室で30分程度の時間をかけ、を受けていた。 」と答えた『吉見 決戦に備えニンニク注射』という記事を掲載したことによるものであり、即日NPB側が事実確認に乗り出したものである。 この一件は直前の、しかもにおける監督と監督の因縁の対決ともあり、マスコミは大々的に報道した。 その後、同席した球団代表が「問題ないと思っている。 正当な医療行為だと証明する。 」と発表。 24日、NPB側が調査の結果、「医学的に正当な治療行為の範ちゅうにある。 複数回行われていたが、日常的に行われていたわけではない」と違反はなかったとの判断を示した。 MLBのに所属するは2009年5月7日にドーピング検査でステロイドの副作用を消す禁止薬物の(hCG)の陽性反応を示したとして、50試合の出場停止処分を科された。 4月8日に2度目のドーピング違反が発覚し、100試合出場停止処分を受け入れる事を拒否して現役引退を表明した。 元トレーナーのの告発により、ミッチェル報告書でリストに記載されたものの、アメリカ議会下院公聴会でステロイドやhGHの摂取を完全否定した元MLBのロジャー・クレメンスはマクナミーとの証言の食い違いから偽証を疑われて起訴された。 側が偽証を立証する事が出来ず、6月18日に偽証罪や虚偽の陳述及び公聴会の妨害等、6つの罪状全てで無罪となった。 2010年代 [ ]• 8月24日、自転車プロ選手のは () USADA により、ツール・ド・フランスの7連覇を含む1998年8月1日以降の全タイトルの剥奪とトライアスロンをも含む自転車競技からのの処分を科された。 10月10日にはUSADAがドーピングの調査報告書を公表した。 これを受け、 UCI は10月22日、 CAS には上訴せず、USADAの裁定を受け入れる事を発表 、1998年8月1日以降の全タイトルの剥奪が確定した。 詳細は「」を参照• 1月29日ににある小さな専門のバイオジェネシス・クリニックの経営者、が医師免許資格を持たずにhGH等の禁止薬物を野球選手に販売していたとされるが発覚した。 7月22日にMLBのに65試合、8月5日にアレックス・ロドリゲスに211試合とその他12人の選手に50試合の出場停止処分が下った。 3月7日、ロシアのテニス選手が会見を開き、同年1月のでのドーピング検査の検体から、禁止薬物の陽性反応が検出されたことを発表した。 偶然にも同時期に、同国ののも同じ薬物での違反が発表されている。 メルドニウムは同年1月からWADAの禁止リストに入っていた。 同年6月8日、1月26日にさかのぼって2年間の選手資格停止処分となったが異議申し立てが叶い、期間は15ヵ月となったため、2017年からの復帰が可能となった。 しかし主催するフランス・テニス連盟は2017年5月16日、主催者推薦枠の選手枠を発表したがシャラポワは含まれず、世界ランキング211位で獲得ポイントも足りないため、出場は叶わなかった。 詳細は「」を参照• 12月9日、世界反ドーピング機関( はロシアに対し、ドーピングに関する規定を順守しなかったことを理由に、今後4年間にわたり主要なスポーツの国際大会への参加を禁止すると全会一致で決定した。 2020年の東京五輪・パラリンピックや2022年のサッカーワールドカップ(W杯)、北京冬季五輪などにロシアとして参加することはできなくなるが、ドーピングに関与していないと証明されたロシア選手は個人資格で各大会に出場できる。 競技別 [ ]• EPOドーピング問題は古くからサッカー界でも知られており、ヨーロッパの有力クラブチームなどで組織ぐるみで行われていたとも噂されている。 ので優勝した(当時)や、のワールドカップ・イングランド大会で旋風を巻き起こしたの選手に対して、EPOドーピング使用の疑惑を訴えるジャーナリストも多い。 にで当時代表だったが、ドーピング検査でエフェドリンが検出され、無期限の出場停止で大会から追放された。 最近では、にの監督が所属している外国人選手の中に、以前所属していたクラブでドーピングをしていた可能性のある選手がいると発言し、世界中に波紋を広げた。 ではやなどが試合後のドーピング検査をパスできずに世界タイトルを剥奪されている。 ではやなどがドーピング検査で、パフォーマンス向上効果があるの一種が規定の2倍以上検出されたため出場停止となっている。 脚注 [ ] [] 注釈 [ ]• 化合物、化合物の集合体、又は生物学的パラメータであり禁止薬物又は禁止方法の使用を示すもの• 指導者、トレーナー、監督、代理人、チームスタッフ、医師、医療従事者、親など• 禁止物質の中には、市販の風邪薬などの成分などにも含まれており、競技者が不注意で体内に取り入れてしまい易いものがある。 その為、こういった競技者の不注意でドーピング違反が起き易い禁止物質の中には「特定物質」としても指定されているものがある• NPBの許可を得て禁止薬物を成分に含む治療薬を持病の治療に使っていたが、中日球団側が治療薬の使用許可の継続申請を怠っていた事実が発覚したため処罰が軽減された• 日本国内では未発売の医薬品で、やなどでは処方箋不要で購入できるため、個人輸入などで入手可能である。 ドーピングが厳しく検査されるようになる前と後では、メダル獲得数に明らかに差が見られる。 ただし、ドーピングに対する規制強化が謳われた時期は偶然にもソ連崩壊や東欧の民主化が進展しており、これに伴い国内が混乱していたこと、急激な資本主義化により国家レベルによる選手の育成が図られなくなったことに留意する必要がある。 出典 [ ]• 『日本経済新聞』ニュースサイト(2018年5月23日)2018年7月6日閲覧• 日本ゴルフ協会(2018年7月6日閲覧)• cited by A. Higgins 2006 From ancient Greece to modern Athens: 3000 years of doping in competition horses Journal of Veterinary Pharmacology and Therapeutics V 29 I s1 Pg 4-8. 『新・ドーピングってなに?』(日本水泳連盟、1996)など他多数• Barnhart 2003 In Chambers Dictionary of Etymology. ChambersHarrap, Edinburgh. ited by A. 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